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自分の心の居場所が、分からない。
高校生の時の僕は、とにかくメンタルが虚弱で、不安と焦燥に呑まれていた。
せっかく向こうからフレンドリーに話しかけてもらっても、自分の方から遠ざけてしまっていた。
周りに対する劣等感があったし、皆は自分より遥か先に進んでいて、自分は周りから取り残されているんだ…というふうに感じていたから。
そして、周りの人との間に心の壁を作ってしまった。
相手のことをもっとよく知ろう、分かろう、寄り添おう、気遣おうという気持ちよりも、自分がどう思われているか、自分がどう話したら良いかという心配ばかりが先行していた。
あの頃は、とにかく精神的に幼く、自分中心で物事を考えてしまっていた。
僕は、「自分は他の奴らとは群れねぇ、一人でいる方が楽しいし、大勢じゃないとなんも出来ねぇ軟弱者とは違う!」というふうに、「人とコミュニケーション取れない」ことを、「敢えて一人で居る」と言い替えて、大学入学以降半年ほど、誰とも会話をせず、ただ作品制作に没頭する毎日を送った。
自分を変えたくて、自分の本性を隠そうとしていてカッコつけてた節もある。
そんな僕は、「一人で我が道を行っている同士としか関わらねぇ!」と、自分と似たような、ボッチ勢にばかり話しかけるようになった。(実際は、集団で群れてる相手には心の壁を作ってしまって、話しかけることが出来なかっただけなのだが。当時はそのことに、僕自身気づいていなかった。)
ひとりでばかりいる奴のことを、「我が道を行く芸術家の卵だ!」というふうに厨二病的な解釈をしてしまっていた。
でも、現実はそうじゃなかった。
彼らのことをより深く知っていくほど、実際は「我が道をゆく芸術家の同士達」ではなく「障害やいじめで精神に問題を抱え、周りの人と上手く馴染めない子達」だったことを知っていった。
なにせ自分自身、高校生までに友達と言えるような友達がいたことがなく、家に人を呼んだことも、一緒に遊びに出かけたことも、片手で数えられる程の回数しかないのだから、そんなこと、分かるはずもない。
きちんと人間経験を積んでいて、精神的にある程度成熟している人なら、少し話をしただけでも「あ、この子達はそういう感じなんだな」ってすぐ分かるのだろう。
最初のうちは、彼らとの間でも、話が合った。似たもの同士だからだ。
周りと上手くコミュニケーションが取れず、幼稚で、高校の時までに親しい友人ができたことがない、僕と似たような人達だった。
でも、僕は、彼らより先に成熟度が上がってしまった。精神の不安定さは死物狂いで改善したし、noteやメモ帳を使って自分の気持ちや状況、抱えている問題と向き合って言語化してきた。
メンタルトレーニングのやり方やコミュニケーションのとり方を本で勉強したりもした。
彼らのことを事をより深く知ろうと、根掘り葉掘り質問したり、遊びに誘ったりした。
スタート地点は確かにすごく遅れていたし、膨大なエネルギーを使った。
でも、精神的には、前よりだいぶ成熟したと自負している。コミュニケーションも前よりはきちんと取れるようになった。
しかし、彼らの方は相変わらず、自分の乗り越えたような問題を、乗り越えられずにいるようだ。
それどころか、時が経つにつれ精神を病んでいき、学校に来なくなった子もいた。
別に、その子たちを悪くは言わない。
でも、やっぱり、僕は救われない。
彼らに接近しても、僕は救われなかった。
わかって貰えない。やっぱり、もう、視点が違うんだよ。違うから、わかって貰えない。考えていることも、やっていることも、経験も、以前より成熟度が微妙に高まってしまったのだと思う。
でも、自分にもまだまだ問題がある。
というか、山積みだ。
相手を思いやる気持ちに欠けていて、全ての物事を自分中心で考えてしまうような、幼稚さが、まだ残っている。
そういうのが随所で表に出て、いままで向こうからも話しかけてくれていた人から避けられるようになったり、明らかに嫌な顔をされたりするようなことがあった。
生活だって崩れがちだ。
仕事もミスばかりで、仕事も覚えられず、呆れ混じりで怒られてばかりだ(それでも、店長の居ない時に、優しめに注意してくれる社員さんや先輩方にはとても感謝している)。
つまり、何が言いたいか。
今の自分には、居場所がない。
どこにも。
どれだけ足掻いても、もがいても、結局は何も変わらなかった。
寂しい。虚しい。苦しい。
ああ、しんどい。
これ永遠の課題なり。
今日も布団につっぷせる。
たまに来る子供っぽい同級生の奴で寂しさを紛らわしながら、今日も一日耐え抜く。
いつまで持つのだろうか。
膨らんだ風船は、破裂する寸前だ。
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