朽ち果てるモノ、変わらないモノ、輪廻するモノが一枚の写真に同居していた
サクガワサトル写真展「海、風、車」見てきた。
沖縄の青い空の下、放置され錆て朽ち果てた車が写っている。
草木が車に絡まり、長い月日の経過を感じさせる。
サクガワサトルさんは、朽ちた車が自然の長いに溶け込んで佇む姿の魅力に取り憑かれ、撮り続けた車は100台を超えた。
ノスタルジーや哀愁といった言葉だけでは言い表わせない朽ちた車達の魅力を、沖縄の海や風などの自然とともに感じ取って欲しいとのこと。
展示のメインビジュアルの写真が、個人的な私見であるが、この展示を一枚で見事に表していた。
それは、「朽ち果てるモノ、変わらないモノ、輪廻するモノの3つが一枚の写真に同居している」ということだ。
車は錆て朽ち果てていく。
沖縄の空は今も昔も変わらず気持ちのいいほどの青さだ。
そして、四季の巡りとともに草木は枯れてはまた青々と生い茂ってくる。
この3つが1枚の写真に同居している。
混沌ではなく、溶け込み調和している。
サクガワサトルさんは、「朽ちた車のどこに惹かれたのかわからない。その写真に何の意味があるかもわからない。」としているが、きっとそれは調和なのかなと、沖縄の青い空と緑深く生い茂る草木の写真を見て、そう思った。
2023年9月