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午後のロードショー「フェイシズ」


公開   2011年
監督   ジュリアン・マニャ
公開当時 ミラ・ジョボビッチ35歳

アンナはある日、女性ばかりを狙う連続殺人鬼の犯行現場を目撃してしまう。犯人に追いかけられ川に転落したアンナは一命をとりとめるが、その時に負った頭部の衝撃で人の顔が判別できない「相貌失認」という状態に陥ってしまう。目撃した犯人に顔もわからなくなってしまったアンナに犯人の魔の手が迫る…

相貌失認という疾患があるのですね。
他人の顔がすべて同じに見える、または見る度に違う顔に見える…
最後まで誰が犯人かわからず、サスペンスとしての見応えは十分ではないでしょうか。

ミラ・ジョボビッチは「バイオハザード」などのアクションのイメージがあるせいか、犯人の変質者くらい簡単にボコれそうですね。
ガッチリした肩幅といい全然か弱そうに見えないのです。

登場人物の顔がすべてアンナの目線で描かれているため、恋人や友人など登場人物は映る度に違う顔なのです。
これには映画を見る視聴者も混乱させられますね。
脳が誤作動を起こすような、サブリミナル効果のように刻一刻と変化する登場人物の顔についていけませんでした。

アンナは鏡に映る自分の顔すら他人の顔に見えるのです。鏡の前でパニックになる演技は鬼気迫るものがありました。

恋人のブライス、刑事のケレスト、心理学者のラニヨン、終盤までこの3人の内誰が犯人かわからず、何度もミスリードさせられます。

アンナの友人二人は、年齢の割に妙に性欲ムキ出し、ギラギラした感じが物の怪的で、少し恐怖を覚えるほどでした。
この映画の不穏な雰囲気を引き立てていましたね。

ケレストを演じたジュリアン・マクマホンはワイルドな雰囲気に優しい目が魅力的ですね。
てらそままさきの吹き替えも、ソフトでセクシーです。
アンナはケレストの顔だけは判別できるのですが、その理由はなんとヒゲなのです。そのせいか、ケレストがヒゲを剃った瞬間、また顔の識別ができなくなってしまうのです。
だったら、他の男性もヒゲさえあれば識別できるのか? というとそうでも無いみたいなのですが…

「君を見た時、初めて会った気がしなかった…」男は美人を見るとみんなこう思うらしいですね。
アンナを自分の故郷にかくまうのは職権乱用とも言えますが、なによりこんないい男が独身だったことに驚きます。

終盤、ケレストがアンナに自分だと分かってもらうため、自分で顔に血でヒゲを書くのは少しウケました。

ラストは悲劇的でしたが、アンナは彼との子供を授かったのですね。

私は自分がこんなにも外国人の顔の見分けが付かない人間とは思いませんでした。
同じ人物を複数の俳優が演じているのですが、特に男性の変化にほとんど気付かず、自分も相貌失認の兆候があるのかと思ってしまいます。
西洋人は東洋人の顔の見分けが付かないと良く言われますが、この映画を日本でリメイクしたら海外の人はますます混乱するでしょうね。

私の友人で、他人の顔の識別能力に非常に長けている人がおり、彼女は数十年会っていない人間でもすれ違いざま、瞬時に本人だとわかるのだそうです。
数十年経っていれば経年変化もあると思うのですが… こういう人は刑事か探偵に向いているのではないでしょうか。

ミラ・ジョボビッチは存在感が強すぎて、この映画のアンナのような恐怖に怯える女性の役は似合わないですね。
ケレスト刑事を演じたジュリアン・マクマホンがステキだったな…というのが見終わった印象です。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価★★★★★
ストーリー  ★★★★
午後ロー親和性★★★
流し見許容度 ★

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