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1995年「クルーレス」


公開 1995年
監督 エイミー・ヘッカーリング
公開当時 アリシア・シルバーストーン18歳

「クルーレス」とはクールで無いもの、すなわちダサいものを指しているのです。

この映画は20代の頃、恵比寿ガーデンシネマに見に行ったのを覚えています。アメリカでは予想外の大ヒットを記録したにもかかわらず日本では単館上映でした。

おバカでリッチな女子高生の日常を描いた映画なのですが、単なるコメディに留まらず、青春群像劇のような味わいがあります。

アリシア・シルバーストーンのキュートさは二次元レベルですね。

若さはじける大胆なマイクロミニのキュートなファッションが可愛さ全開です。
アリシア・シルバーストーン演じるシェールは学校の人気者、いわゆる学校カーストトップのキラキラ女子なのですが、まるで嫌味がありません。

シェールが事あるごとに口にする言葉、もう、うんざり!の意味で使われる「As、If!」もこの映画の影響でアメリカの若者の間で流行したそうです。

1995年といえば日本でもガラケーが普及し始めた頃だったと思います。現在では高校生も学校でスマホを使うのは当たり前だと思うのですが、この頃は学校で携帯を使うなんて… という時代だったのです。

シェールの高校の生徒は学校でマリファナは吸うは、友達の家でなんでもありのパーティはあるわ、日本の高校生とは次元が違いますね。
アメリカの高校生というのはなんて自由なんだと思ったものです。まあ高校生とはいえ大人扱い、自己責任の国ですからね。
ズボンを腰までずり下げる腰パンやスケボー、80年代のカルチャーもシェールにとってはクルーレスAs、If!なのです。

シェールが高校のディベートの授業で、難民に対するアメリカ政府の対応について述べるのですが、父親の誕生パーティーを例に挙げ
「大変だったけど結局はたくさん人が来て楽しかった。つまり、自由の女神に招待状の返事はいらない!」
おバカな女子高生の割には核心をついた事を言うなと思ったものです。

シェールは自分の恋はそっちのけ、恋のキューピッドになるのが大好きなのです。理由は高校男子はみんな子供で、理想のタイプがいないから。
転校生のクールなイケメン、クリスチャンに恋をするも、なんと彼はゲイ…

「靴だって自分に合うのが見つかるまでとことん試すわ」と言うだけあって意外にも恋愛には慎重なのです。

I wont to be a super moderu…♪と歌う映画の主題歌「Super Moderu」もポップな名曲ですね。「今日もダイエット、明日もダイエット、だってスーパーモデルになるんだもん」の歌詞が映画の世界観にぴったりです。

この頃は、シンディ・クロフォード、クラウディア・シーファー、クリスティン・ターリントンなどの1ステージだけで数百万を稼ぐスーパーモデル全盛期、彼女たちの印象的な言葉で「ギャラが1万ドル以下ならベットから出ないわ」を覚えています。
シェールのファッションのミニスカートも当時カール・ラガーフェルドがデザイナーだった頃のシャネルが、下着が見えそうなほどのマイクロミニを流行らせていたころですね。
この時代は、ハリウッドスターよりも夢を与えてくれるスーパーモデルのほうが女子の関心が高かったのです。

「彼女は「モネ」よ。遠目にはマシだけど、近くで見たら化粧が暑苦しくて最悪!」
「洋服のセールなんて絶対ダメ! セールは期限切れっていう意味だから。ミルクの日付けを選ぶのと同じくらい大事な事よ」
シェール語録ともいえるようなフレーズ満載、おバカだけどウィットに富んでいるのです。

結局、シェールは本当の恋を見つけ、ショッピングやお遊びも卒業、難民を救うための活動に目覚めるのです。

アリシア・シルバーストーンは当時18歳ながら堂々たる演技、映画の世界観を完全に掴んでいますね。この映画の後、一躍トップスターに躍り出ましたが、その後はダイエットに苦しんだりと伸び悩んだ感があります。
「バットマン・フォーエヴァー」などのヒット作ににも出演しましたが、やはりこの映画が彼女の代表作と言えるかもしれません。

先生の結婚式での爽やかなハッピーエンド、おしゃれでハッピーで、見る側も幸せオーラに包まれるラストでした。

この映画を見た20代の時は、仕事も人間関係もまるでうまくいかず悩み多き日々を過ごしていたのですが、シェールの屈託のない明るさに元気をもらったのを思い出します。

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