見出し画像

朝が来るまで眠れ、、、

その箱は、深い海のそこに沈んでいる
深海の底の青い青い、その水底に
人知れず、それはある、、、

蓋は堅く閉ざされたままだ
水底から、それは、はるか彼方の空を見ようと顔をあげている

ゆらりゆらり
ゆらりゆらり

揺蕩う水の、さらに、うえのうえ

あぶくがいく粒もいく粒も
この箱のスキマから立ち上り
天に続くかのようだ

あぶくにはある
仕舞いきれなかった、様々な思いが軽くなりたくて、泡になってゆくようだ

僕はこわい、、、
この箱はあけちゃいけないって思う
箱が開かれてしまったら
僕はいなくなってしまうんじゃないかと思う、、、

蓋を閉めたあの手が
再び、また、この箱に触れるとき

僕は、辞めてって、低く抵抗するんだろうか、、、それとも、、、
あぁ、やっと、解放されるんだと気づいて、高らかに笑うんだろうか、、、

とりあえず、、、僕は今はまだ
君をこの箱からは出してあげない

まだ、君はここで眠っていてくれ、出たがってることは知っているけど
出る勇気がないことだって知っているよ、、、

ほら、、、まだ、早い
さぁ、もう一度、目を瞑れ

朝はまだ来ない
さぁ、、、眠れ

そんなに悲しい顔をしないで
君がほんとに、蓋をあける、その時に
僕は代わりに泣いてあげるから、、、




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?