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6.吉本所属。吉本の縦社会と絶対的な先輩
僕のNSCでの最大の使命は相方を探すことだった。ピンでやれる能力がない訳だから相方探しはマストだった。
最初に組んだのは木暮君という19歳の子だった。24で入学した自分には子供に思えた。そして、当時の僕は相方や同期に説教をするなど激イタの尖りかたをしていた。
その日はたまたま遅刻してきた木暮君が僕の方へ走って向かって来ていた。遅刻を怒られると思って焦っていたのだろう。彼は木の根っこにつまづいて激しく転んだのだ。しかし僕は何もなかったかのように説教をしたらしい。。。
そもそも誰が遅刻を説教してるんだって話なのだが。。。
しかし彼は理想の相方ではなかった。才能はあるが、その才能を生かす才能が自分にはなかった。自分の決めたやり方以外を試す気にはなれなかった。NSCではこういうものをやるんだって決めすぎていたのだと思う。
そして、西大井にあったNSCは神保町に移ることになった。
相方の木暮君とは上手くいっていなかった。ネタが軽いと言うか噛み合わなかった。ネタ見せでも講師から全てを否定された。
「キチ◯イやん。次回はキチ◯イじゃないキャラクターのコントをやってください」などとまともにアドバイスもされなかった。
そんな中、自分は入学当初から気になっている人がいた。同じクラスの近江君という人だった。近江君はコンビを組んでいたがしっくりきてない感じだった。
近江君は見た目がお客さんから人気が出そうだなと思ったのと、自分の書いた台本を演じてもらうにはこれから色をつけられそうだったのだ。
そして何より近江君は素直で正直で誠実な人間だった。
NSCの授業が終わると同期と一緒にネタの練習をしたり、ご飯を食べに行ったりした。
その日はマックで同期と喋っていたのだが、その輪の中に近江君がいた。僕と近江君は同じ温度だった。直感でそう思った。
だからお互いコンビを組んでいたが僕は近江君にコンビを組みたいと直球で伝えた。
即答でOKだった。
恋愛で告白して付き合えるようになった時の感覚をイメージしてもらうと分かりやすい。
2007年の7月7日だった。
人生最高の七夕となった。
NSCには遊びに来ている訳じゃないから友達を探すんじゃなく自分に必要な相方を探すべきだと思った。近江君はまさに自分に必要な相方だった。
近江君とのコンビ名は花火のスターマインのようにボケを繰り出すネタをやりたいとの思いでスターマインと名付けた。ネタは作りやすかった。ネタ作り、ネタ合わせ共に急に楽しくなった。早く卒業して舞台に立ちたかった。
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