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「ボールにへそを向けるな。」

福田監督による「コントロールオリエンタード」の説明。「ボールにへそを向けるな。パスを受ける瞬間にはすでに自分が走りたい方向にへそが向いている。自分の視野を確保するために、ファーストタッチからすでに体をひねっている。その流れで走り出す」


サッカーってどんなスポーツだろう?

君も、世界中の人たちも、愛してやまないサッカーというスポーツ。

世界には何百というスポーツが存在する中で、サッカーとはいったいどんなスポーツなのだろう?
他のスポーツの特徴との違いを比べてみると、上達への近道になるかもしれない。

福田監督による「コントロールオリエンタード」を理解するうえで、サッカーというスポーツの性質をパパと一緒に紐解いてみよう。

サッカーは「対戦型スポーツ」

スポーツは大きく分けて下の3つに分類される。

  1. 対戦型スポーツ

  2. 採点型スポーツ

  3. 自己記録更新型スポーツ

1は、サッカー、野球、バレーボール、テニス、バドミントン、卓球等の対戦相手と点数等で優劣を競うスポーツだ。

2は、器械体操、新体操、シンクロナイズドスイミング、フィギアスケート等、繰り出す技を採点してもらった点数を競技者間で競うスポーツ。

3は、結果的には競技者間の記録の競争だが、根幹にあるのは自身の記録との戦いだ。

1とそれ以外のスポーツの大きな違いは、対戦相手と相対すること。
2と3のスポーツは、対戦相手が邪魔できないが、
1はルール上、邪魔することを許されているのだ。

サッカーにも、対戦相手が必ずいる。
採点型スポーツのようにドリブルやゴールの美しさを競うスポーツではないし、
自己記録更新型のように、誰も邪魔してこない中でドリブルのスピードやゴールまでの時間を競うスポーツでもない。

対戦相手と攻防をしながら得点を競っていくスポーツだ。


サッカーは「集団」対戦型スポーツ

対戦型スポーツは「個人」と「集団」に分けられる。
1対1で行うスポーツと複数人でチームを組むスポーツだ。

個人の方はテニスや卓球、柔道、レスリング等。
集団の方はサッカーや野球、バレーボール等。

繰り返すけど、サッカーは「集団」スポーツ。
個人スポーツのように、個々が個々の思うがままににプレーするのではない。
チームで味方と力を合わせながら攻めたり守ったりするスポーツだ。

サッカーは「ゴール型スポーツ」

スポーツは球技と球技以外に分けられるが、
球技は大きく
・ゴール型(サッカー・ハンドボール・バスケットボール等)
・ネット型(バレーボール・テニス・卓球等)
・ベースボール型(野球・ソフトボール・クリケット等)
に分類される。

ネット型では、ネットを境に明確に陣地が分かれる。
相手陣地に入ってプレーすることが許されない。

ベースボール型では、攻守の機会が明確に分かれている。
得点は攻めの機会時以外はありえない。

対してサッカーを含めたゴール型では陣地または機会に関係なく攻守が混在する。
相手陣内に入れるし、いつでも攻めも守りもありうる。
ゴールを守りながらゴールを目指す、
または、ゴールを目指しながらゴールを守るということを考えなくちゃいけないんだ。

練習は、サッカーの特徴に合わせて

サッカーの特徴をまとめてみると、サッカーは
①対戦相手がいて
②チームで協力しながら
③ゴールを目指し、同時にゴールを防ぐ
そんなスポーツだ。

君に今一度考えてほしいのは、これらのことを普段の練習から意識しているかということ。

例えば、インサイドキックの基礎練習をするとしよう。
フォームやボールのおでこに当てられているかということを確認することはもちろん大切だ。
でも、それだけだと、自己記録更新型のスポーツと変わらない。

サッカーでは、常に対戦相手が邪魔してくるかもしれないということを考えないといけない。
受ける前に相手味方(またはスペース)を確認するために首ふりをする。
すぐ蹴り出せる位置にボールを受ける。
受けてからすぐにパスを出す。
この辺を、基礎練と言えども常に考えるのか、それとも
ただなんとなく、あたかも違うタイプのスポーツかのようにこなすのかでは
練習の質が全く変わってくる。

今日からできるサッカーの特徴を考慮に入れた練習

さて、冒頭の「コントロールオリエンタード」。
なぜ、へそを行きたい方向に向けるのか。
それは、
・対戦相手がいるからより速く動く
・チームプレーであるパス交換の質を上げる
・奪われずに素早くゴールを目指す
と、サッカーの特徴上、理に適っているからだ。

漫画で出てきたようにトラップ地点の周りに円を描いて少ない歩数でボールと円に入るでもよい。
久保建英選手が幼少期にやっていたような、コーンを使って左右にコントロールするでもい。
大事なことは、自己記録更新型や採点型に陥らず、サッカーの特徴をしっかり意識すること。

そして、「コントロールオリエンタード」のみならず、練習の一つ一つの質を、サッカーの特徴と照らし合わせて見直すこと。

そうすれば、サッカーそのものの質が変わり、君の上達につながると思うよ。
サッカーの特徴から逆算した練習を常日頃から行っていこう。

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