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「サッカーは…オフ・ザ・ボールの動きがすべて」

セレクション時の福田監督の言葉。

試合のハイライト

君の昨日の試合、公式戦初ゴールおめでとう!!
味方からのパスを受けて、自らゴール前まで持っていってシュート。
一度はキーパーに防がれたものの、相手DFやキーパーよりも先に追いついて豪快に決めたね。
努力が結果に結びついたことはパパとしても、コーチとしても、心からうれしいしよ。

終盤の攻防は見ごたえがあったけど、最後は追加点を決められてチームの初勝利はお預けとなった。
ゴールの悦びと勝てなかった悔しさを胸に、また日々の練習を頑張っていこう。

さて、試合は振り返りが大切だ。
昨日の試合で思い出して見れることを挙げてみよう。

・君のゴール
・味方のゴール
・味方の失点
・成功・失敗したドリブル
・成功・失敗したパス
・相手を止めたディフェンス

などなど、たくさんのシーンが思い浮かぶと思う。
上手くいったプレーはもっと伸ばし、うまくいかなかったプレーは次こそ成功できるように練習を重ねていこう。


さて、同じようにプロの試合をニュースや動画で振り返ろうとすると、
君が昨日の試合で思い浮かべたように、ゴールシーンを中心にスペシャルプレーや、
誰かに焦点を当てたものだとタッチ集がハイライトとしてあげられることが多いと思う。

これは、ボールが動くところで常に試合は動くし、
君の練習も、ドリブル・パス・シュートが中心になっているから、
それらがうまくいった、いかなかったというのが
関心の中心になるということはとても自然なことだよね。

「ハイライト」以外のプレー

では、そんなハイライト以外の時間、選手はぼーっとピッチに立っているだけかな?

決してそんなことはないよね。

ボールが無い状況でも、ボールを扱う時に備えたり、守備をしたり、おとりになったりするために選手はみんな動いている。

驚くべきことに、大人の試合90分のうち、1選手がボールを扱う時間というのはたった2~3分と言われている。
君のカテゴリーでは試合時間は30分。
単純計算で1選手がボールを扱っている時間はなんと1分以下だ。

サッカーというスポーツは、ボールを扱っていない時間、つまりオフザボールの時間が圧倒的なスポーツなんだ。

サッカーの上手さとは?

「サッカーが上手い」と聞くと、どうしてもテクニックなどボールの扱いのの上手さに目が行きがちだ。
また、「サッカーが強いチーム」というのも、ボールの扱いがうまい選手が多いチームほど強いと思いがち。
常にボールが動くところで試合が動くことを考えると、それはとっても自然なこと。
ボールの扱いはうまいに越したことはないのも、プロにいく選手はみんな足元が上手いのも事実だよね。

でも、さっき触れたように、サッカーはボールを扱わない時間が大半のスポーツ。
その、オフザボールの質こそが実は大切なスポーツであり、
ボールを扱っていない95%の動きが、
試合の行方を決定づける要素のうちの95%くらいを占めるんじゃないかな。
スポットライトが当たるプレーを増やすためには
(または相手のスポットライトを消すためには)
光の当たらないところでの準備の質がとっても重要なんだ。

「サッカーの上手さ」といったときに、オフザボールの質は
もっともっと評価されるべき要素だとパパは思っている。

実際に、プロの練習ではオフザボールの動きに割く時間がとても多いんだ。
ミーティングでもボールとは別に、綿密に一人一人の動きを確認するし、
ピッチ上でも、ボールを持っていない選手の一人一人のポジショニングを
数十センチ単位で確認する練習が行われていたりする。

福田監督のいう「オフ・ザ・ボールの動きこそがすべて」というのも決して大げさではないと思う。

今日からできる「オフザボールの意識」

細かなオフザボールに関してはまた別の機会に話すとして、
今日から君がオフザボールを意識するうえでできることを考えてみよう。

君の試合の振り返り方

試合の動画を2つの視点から見返そう。

ひとつはボールを扱っているときの振り返り。
君のパスやドリブル、シュートはうまくいったかな?
ゴールにつながるためのプレーになっていたかな?
上手くいったプレーはもっと伸ばし、
うまくいかなかったプレーはまた練習していこう。
これは、いつもやっている振り返り方だね。

もうひとつはボールを持っていないときの振り返り。
ボールではなく、君自身の動きを追いかけよう。
ボールと味方、相手の位置と動き、それからスペースとの関係を意識しながら、
君が本当はどこにいたらもっといい結果に結びついたかを考えてみよう。

高いレベルの試合を観る際のおすすめ観戦方法

プロの試合等を観るときに注目してほしい、おすすめ観戦方法は2つある。

ひとつは、ボールを隠して観てみよう。
チーム全体として、どういう動きをしているんだろうか?
攻撃も守備も、チームとしてどんな意図を持って動いているんだろう?
そういった意識をもって観てみると、全然違ったサッカーが見えてくると思うよ。

もうひとつは、一人の選手の動きだけを追いかけてみよう。
ボールを持っていても持っていなくても、
その選手が何をしたくてどんな動きをしているのか、
考えながら観てみよう。
例えば君だったらどういう動きになるのか想像しながら、
比べながら観てみると、とても学ぶことがあると思うよ。


足下の技術が大切なのは事実。
サッカーをやっている限りその上達を試み続けよう。
でも、オフザボールの動きも同じ、いやそれ以上にサッカーでは重要。
オフザボールを上達させることが、君のサッカーの上達への近道になると思っているよ。

サッカーはテクニックやフィジカルだけでなく、頭や心が大事なスポーツ。
オフザボールをよりよいものにするには頭をフル回転させる必要がある。
バランスの取れたサッカー選手目指して、たくさん考えてみよう。

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