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【必見】教員採用試験「面接合格のポイント」Part3 〜面接官も高評価!文科省の教育ビジョンを活用した回答術〜

教員採用二次試験検査を1ヶ月後に控え、教員採用試験対策特別講座「面接を知ろう」が終了しました。

この講座に参加する多くの学生が、バイトで学費や生活費を稼いでいることを知っていたので、「苦学生の為に、何とか効率的で効果的な面接対策の攻略法を!」と考え抜きました。

今回の投稿は、この講座のダイジェスト版を掲載します。

また、「面接で想定される質問」資料もダウンロードできるようにしておきます。本学の学生が受験する自治体に合わせて作成したものですが、全国的にそんなに違いは無いと思います。

ご活用ください。


回答の質を高める

教員採用試験の面接対策の基本は、想定される質問に対して「的確に回答」できるように準備しておくことです。

その際、「理想の教育像」のイメージを深めておくことで、回答の質を高めることができます。

今回の講座では、次の2点を骨子に回答の準備方法について解説しました。

1. 「理想の教育像」を理解する。
2.  想定される質問に対応して、「理想の教育像」を的確に回答できるようにする。

まず、「理想の教育像」をイラストと解説で理解します。
ここでいう「理想の教育像」とは、いわゆる文部科学省が学習指導要領や生徒指導提要などを通じて目指す教育のことを指します。

次に、面接で想定される質問に、「理想の教育」を対応させて回答できるようにしていきます。

理想の教育像

「理想の教育像」は、教育の基盤となる学級経営、学習指導、児童生徒への関わり方で構成しています。
イラストは、学生がイメージしやすいようにと考えて私流?に表現してみました。(←自信はないのですが・・)

写真部分は、文部科学省「小学校中学年体育デジタル教材」より

共感的な人間関係の育成

共感的な人間関係を育むことは、児童生徒の健全な成長と発達にとって不可欠です。先生と児童生徒、児童生徒同士が互いを認め合い、励まし合い、支え合えるような関係を築くことが重要です。

間違いやできないことを笑ったりせず、互いに認め合い、励まし合い、支え合える「温かな学級経営」が全ての教育活動の基盤となります。(生徒指導提要2.1.3 学級・ホームルーム経営と生徒指導)

「分かる・できる・楽しい」授業づくり

児童生徒が安心して過ごせる環境の中で、「主体的・対話的で深い学び」が実現するような授業づくりを進めます。

つまり、児童生徒が主体的に課題を追求し、仲間と共に本時のねらいに迫っていく中で、「分かった」「できた」と学ぶことの楽しさや喜びを感じることのできる授業です。

この授業を通じて、確かな学力を育成します。(学習指導要領総則 「第1 小・中学校教育の基本と教育課程の役割」)

自己存在感の感受

自ら考えたり、決定したりする自己決定の場のある授業(「主体的・対話的で深い学び」の実現)では、児童生徒は「よさや可能性」を発揮します。

・ 探究心に溢(あふ)れ、常にいろいろな角度から物事を考えている。
・ 納得できるまで、時間がかかっても一生懸命にやり抜こうとしている。
・目立たないところでも、こつこつと努力している。
・ グループでの話し合いで、みんなと協力して学習を進めている。
・etc

自らの「よさや可能性」を教師や友達から認められることで、児童生徒は教室の中に自分の居場所を見つけることができます。

そして、「自分は認められている」「自分は分かってもらっている」と自己の存在感を高めることができるのです。(生徒指導提要1.1.2「生徒指導の実践上の視点」)

深い児童生徒理解

実際の生活や学習の場面では、個別指導が必要な児童生徒が出てきます。イラストでは、体育の授業に参加できない児童生徒への対応を例として表現しています。

このような場面では、教師は児童生徒の表情や会話などを手掛かりに、内面を深く理解しようと努めます。体調不良、友人とのトラブル、あるいは保護者の完璧主義的な子育てなどが影響している可能性も考慮します。

その深い理解に基づいて、「そっとしておく」「励ます」「一緒に取り組む」など、適切な対応を取ることになります。

つまり、一人一人の児童生徒に「寄り添う」姿勢が大切です。(生徒指導提要「1.3.1 児童生徒理解」)

「AIの力」を借りた具体的な回答づくり

「理想の教育像」をイメージしたら、想定される質問から回答づくりの段階に入ります。

想定される質問については、以下の資料を参考にしてください。

この時、適切に回答づくりをするのは結構時間の掛かる作業になりますが、AIアシスタントを活用すると効率的・効果的に取り組むことができます。

私が主に利用しているAIアシスタントは次の2つです。

1. Google の「Gemini」
2. Microsoft の「Copilot」

これらは高度なタスクをこなすこともできますが、無料版でも十分に役立ちます。

以下のようにスマートフォンでダウンロードもできますが、パソコンで「Gemini」か「Copilot」のサイトを開いて作業する方が効率的です。

AIアシスタントへの指示の仕方(プロンプト)を具体的にすると、効果的に回答が作成できることを実感できます。

「いじめが発生した際の対処法は?」
   ↓
「教員採用試験の面接で、いじめが発生した際の対処法を質問された時の回答を、試験官と受験生の会話形式で表現してほしい。」

お試しください。

注意したいのは、AIアシスタントは時々「ハルシネーション」と言って、「誤った回答や根拠のない回答」を生成する可能性があります。

ご注意ください。

「教育の基盤」に関わる質問と解答例

教育の基盤に関する質問への回答づくりです。想定される質問を、イメージした「理想の教育像」に結びつけて考えていきます。

Q. 理想の教師像は?
A. 「私は子どもたちがお互いの個性を尊重し、温かい雰囲気の中で学べる学級を作りたいと考えています。「分かる・できる・楽しい」授業を提供し、一人一人の児童生徒が、主体的に学習に取り組めるようサポートしていきたいです。

Q. あなたの考える理想の学級経営とは?
A. 私の考える理想的の学級経営は、「子どもたちが主体的に学び、互いの個性を尊重し合い、協力できるような温かい雰囲気の学級」を作ることです。

Q. 子ども一人一人が大切にされていると実感できるために、生活面や授業場面でできることは?
A. 授業や生活を通して見つけた 児童生徒一人一人の「よさや可能性」を認めることで、子どもたちの自己肯定感を高め、大切にされていると感じられる環境を作ることが重要です。

さて、どうでしょう?
どの質問も、イメージした「理想の教育」で回答づくりができます。

この時、AIアシスタント使い方ですが、まず自身で回答を考え、その後「このように考えたがどうだろう」とプロンプトする方が「理想の教育」に結びつけやすいです。

「確かな学力」の育成に関わる質問と解答例

「学習指導」に関わる質問は、「分かる・できる・楽しい」授業づくりで回答を作成することをお勧めします。

Q. 「分かる・できる・楽しい授業」とは?
A. 児童生徒が解決の見通しをもって、主体的・対話的に学びに向かう中で本時のねらいに迫り、「わかった」「できた」と学ぶ楽しさや達成感を実感できるような授業です。

Q. 「分かる・できる・楽しい授業」をどのように実現する?
A. 導入の段階で、どの児童生徒にも問題解決の見通しをもたせることと、 解決を目指す過程で他と話し合いがら考えを深めることの2点を大切にしたいと考えています。
具体的には・・

「 確かな学力の育成」には、子どもたちが「分かった!」「できた!」そして「楽しい」と感じる授業を進めることが大切です。

そのためには、「主体的・対話的で深い学び」の授業を実現することが求められます。

ですから、「主体的・対話的で深い学び」の授業を実現するための手立てを回答できるようにしておく必要があります。

算数などの授業場面を具体的な例など交えて話すことで、回答に説得力が増します。大学で取り組んだ模擬授業などを活用して、準備しておきましょう。

「豊かな心」の育成に関わる質問と解答例

「豊かな心」の育成に関する質問では、いじめや不登校、命を大切にする教育(自殺)などへの対応の質問が多くなります。

Q. いじめを防止するために心がけることは?
A. 児童生徒が安心して学校生活を送れるように、個性を尊重し、互いを認め合う温かい学級経営と「分かる・できる・楽しい」授業作りを柱とした教育を大切にします。

Q. いじめを早期に見つけるにはどうする?
A. いじめの早期発見には、教師が児童生徒一人一人に寄り添う姿勢が大切です。教室の雰囲気や児童生徒たちの間に流れるサインを敏感に捉えることで、児童生徒の抱える問題や心の変化に気付くことができます。

Q. いじめが起きた時の対処法は?
A. まず、被害者の安全を確保することを最優先します。その上で、被害者から話をじっくり聞いて状況を把握し、教頭先生に報告することでチームとしての対応策を講じていただきます。

いじめや不登校などに関する質問に対しては、予防、早期発見、対処の視点で適切な回答を準備する必要があります。

予防においては、互いに認め合い、支え合える温かい学級経営を進めることが重要な要素となります。(生徒指導提要 4.3.1 いじめ防止につながる発達支持的生徒指導)

以下のサイトで、そのことを詳細に記述しています。

さらに、早期発見には、教師が一人一人の児童生徒に「寄り添う」姿勢が不可欠です。この姿勢によって、児童生徒の微妙な心の変化や問題を敏感に察知し、適切に対応することができるのです。(生徒指導提要4.3.3 いじめの早期発見対応)

「健やかな身体」の育成に関わる質問と解答例

「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、体力・運動能力の低下傾向が顕著に見られ、「健やかな身体」の育成は多くの自治体にとって喫緊の課題となっています。

Q. ◯◯県では体力低下が課題となっているが、どのように解決するか?
A. 「分かる・できる・楽しい」体育の授業を通じて、児童生徒に運動の楽しさを体験することで運動意欲を高め、運動習慣を定着させたいと考えています。

Q. 体育の授業で、どのように「分かる・できる・楽しい」授業を実現するのか?
A. 児童生徒一人一人の体力や運動能力、興味関心を事前に把握し、それぞれに合った目当てをもたせることを大切にしたいと考えています。また、グループ活動などを積極的に取り入れ、楽しみながら運動に取り組める環境を作ります。
具体的には・・

Q. 体育の授業以外で、 体力向上に何ができる?
A. 休み時間は、児童生徒と一緒に元気に遊びます。

体育の授業づくりのポイントは、一人一人児童生徒が運動の楽しさに触れることです。 つまり、「健やかな身体」の育成 においても「分かる・できる・楽しい」授業づくりが大切になります。

「確かな学力」の育成と同様に、大学の模擬授業などを元に具体的な体育の授業づくりについて回答できるようにしておきましょう。具体例が入ると説得力が増します。

本稿のまとめ


さて、本稿はお役に立ったでしょうか?

本学で実施した面接対策特別講座を基に、受験生の皆さんがより効率的かつ効果的に面接対策を進められように記述してみました。

ただ、教育の骨格になる部分で構成したので、場面指導や保護者対応などには触れていまません。

それらの部分も大切なので、ダウンロード資料「面接で想定される質問」など参考に、AIアシスタントの力を借りて適切に解答できるように準備しておきましょう。

以下は、「面接官が何を考えているのか?」をテーマに投稿しました。
面接の評価をぐんと上げる「魔法の仕草」なども記載しています (^^)
参考にしてください。

頑張ってください!






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