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冷静に全部嘘である件について〜就職活動編

私が就職活動をしていた頃には、「メモの魔力」なる本が流行り、自己分析や成長などの言葉のプロペラを振りかざしたゴリラ達が、僕を置いて天高く舞って行った。
面接の場で唐突にマジックを披露したら、その度胸が面接官に評価され難関企業に合格した。なんて話を聞かされることもあり、就職活動は僕にとって得体の知れないものであると理解した。
この状況に焦りを感じ、エントリーシート一つとっても、志望動機やら長所やら経験を悩み考え抜き、時に高校時代を回想し、激しい時は幼稚園まで遡り、生い立ちや環境から、現在の自分の特性を分析した事もある。

だが結局のところ就職活動を難しくする一番の要因、
それは「嘘が苦手である」事だった。
誇張力と言った方が適切かもしれない、簡単に言うと最近職場で紙ファイル整理チームに入ったことを、「新しいプロジェクトが始まって忙しい」と堂々と言える人間なのかいという話である。

提出したエントリーシートの内容、見返して気づいたがそれは冷静に全部嘘だった。しかし、罪悪感を感じる必要はなかった。
その理由として、1つ目は衝撃的な事実だが、質問自体が嘘だからだ。
「長所は何ですか」と尋ねるが、誰と比べてなのか等何も指標がないだろう。
本当は質問などしていないのだ。
2つ目は、相手を喜ばせているからだ。優秀な人間が自分の会社に入ろうとしていたら殆どの人間は嬉しい。相手を立てるために自分という優秀な人間を紹介する。大して悪いことはしていない。

これは、おあそびである。全部嘘なのだ。
就職活動を難しく語る、誇張力のある人間の嘘に騙されてはならない。



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