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シネゲキ「薔薇とサムライ2:海賊女王の帰還」

天海祐希は非日常的な姿ほど美しい。弁護士や刑事も良いけれど、できるだけ一般的ではない扮装を見たいと思う。
そういう意味では「薔薇とサムライ」ほど天海祐希を活かしている舞台はない。オスカルの軍服をアレンジしたようなドレスも、大きくドレープの入った袖の海賊姿も、見ただけでハートをわしづかみにして揺すぶられているほど感動的だ。
だが、この芝居の大きな意義は、天海祐希に燕尾服を着せたことだ。昨年の新橋演舞場、休憩後に往年の宝塚スタイルで現れたときには、前情報がなかっただけに肌が粟立ち涙がでた。絶対に声を出してはいけないコロナ禍にも関わらず、「きゃ~!」という歓声があちこちで上がり、みんなが両手を胸の前できゅっと組んで舞台を見つめたものだ。
今回、映画であるにも関わらず、同じ現象が起きた。もちろん映画館の暗闇だから観客の表情はわからない。が、天海祐希が出てきた瞬間、みんなの背中が座席から離れ頭の位置が高くなり、ざわめきが起きた。その瞬間、管内の気温が確実に上がったと思う。
今回の上映は3週間。8月24日には終了する。もう一度見に行く時間があるか、悩みどころ。

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