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太陽光パネルの適切なリユース・リサイクルへ業種を超えて連携


「太陽光パネルリユース・リサイクル協会」が第1回総会開催

環境にやさしい再生可能エネルギーの代表として、世界で急速に普及した太陽光発電。日本でも2011年の東日本大震災による原発事故を受けて、翌2012年に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が制定されて以降、導入が急拡大してきました。

しかし、この太陽光発電に使われる太陽光パネルの製品寿命は概ね25年程度と言われており、2030年後半ごろから使用済み太陽光パネルが大量に廃棄されることが予想されています。環境にやさしいと言われていた太陽光発電が、大きな環境問題となりつつあります。

 急速に普及した太陽光発電。今後は寿命を迎えた使用済みパネルが大量に廃棄されることに


 そんな太陽光パネルのリユース・リサイクルを普及・啓発する団体として昨年11月に「一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会」が発足。今年5月29日に都内で第1回総会を開催して、本格的な活動を開始しました。代表理事には廃棄物処理などの環境ビジネスに取り組む浜田(大阪府高槻市)の浜田篤介社長が就任。

設立の趣旨

浜田代表理事は総会で同協会設立の趣旨として、
①太陽光パネルのリユース・リサイクルにおける健全なマーケットを形成する

②リユース・リサイクルの品質基準をつくる

③今後必要となる法整備に向けて立法機関の諮問的カウンターパートとなる

の3点を挙げ、「これを実現するためにはリユース・リサイクル業者だけではなく発電事業者、太陽光パネルメーカー、リサイクル装置メーカー、ガラスメーカー、商社、保険会社、学術経験者などさまざまな主体と連携する必要がある」と語りました。

今後は太陽光パネルリユース・リサイクル技術の共有・普及活動、適正なリユース・リサイクルの周知・啓蒙活動、会員への情報発信と交流活動などを行っていく計画です。

 第1回総会開催時の会員企業はエネテク、近畿電電輸送、こっこー、新菱、高良、大和エネルギー、チヨダマシナリー、浜田、ハリタ金属、丸紅、丸山喜之助商店、J&T環境の12社。

 第1回総会にはさまざまな業種の企業等から多くの参加があった

一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会の特徴

同協会で特徴的なのは、廃棄物処理・リサイクル企業だけでなく、エネルギー関連や商社、物流などさまざまな業種の企業が参加していることです。

この他に総会には入会検討中などの企業11社も参加しており、その中にはガラスメーカーや損害保険会社なども含まれています。

浜田代表理事が言うように、まさにさまざまな主体と連携して問題解決に挑む構えです。

 業界ごとにさまざまな業界団体が存在し、それぞれの業界の課題解決や発展に向けた活動を行っています。

もちろん各業界団体は大事な役割を担っていますが、脱炭素やサーキュラーエコノミーといった世界規模、地球規模の問題解決に取り組むには、業種や立場を超えた連携が不可欠です。

今回のような業界を超えた異業種参加型の団体や、異なる業界団体同士の連携などがこれからはより重要になって来るでしょう。

太陽光発電の役割と課題解決に向けて

太陽光発電について言えば、再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めながらも土砂災害、景観の破壊や反射光などの理由でアンチが多いのも事実。

今後、使用済みパネルが大量に廃棄され、それが適切にリユース・リサイクルされないとなると、そうしたアンチ派からますます攻撃されることになるでしょう。

そういう意味でも、今のうちから出口も含めたリユース・リサイクルシステムの確立を進めていくことは重要です。

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