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怪説~モノノケガタリ~第7話

沙彦
「色々と今回…
  不自然な事が多い…
   法力が削がれているせいもあるかもしれないが…
    境界線とか起伏凸凹が感じ取れないと言うか…
     のっぺらぼうな感じが…」
惟嶺
「前に言っていませんでしたか?
  一つ一つが簡単な仕掛けの様に見えても…
   いくつかのものが絡み合う中で…
    複雑になったり面倒くさくなるとか…」
響子
「そうですね…
  ここまでのキーワードをちょっと整理しておきましょうか…」
沙彦
「普段…
  単純思考っぽい惟嶺が…
   ここまで理知的なのが…
    ちょっと気にかかるが…
     まあいいや…
      進めていくぞ…」
響子
「福の神に貧乏神…
  のっぺらぼうに八卦鏡…
   境界線とか起伏凸凹が見当たらない⁉…
    それって逆に不自然じゃありませんか…
     鏡を塞いでいる状況であっても…
      塞いでいるものの紋様とかが観えるはずなのですから…」
沙彦
「守護霊にしても祟り神にしても…
  普通は違和感を伝えてくれるものなんだけどな…
   本当は…」
響子
「それが感じ取れないという事は…
  その力や存在を吸い取る掃除機みたいな存在が…
   って惟嶺さん…
    無自覚無意識で力発動してません?」
惟嶺
「それって俺のせいですか?」   
沙彦
「仮説にしては…
  ちいとばかし納得してしまうんだが…
   惟嶺…
    おまえは今日は留守番だ…
     ものは試しで…
      マジで単独行動だな…
       響子も惟嶺がこれ以上…
        今回の俺の仕事を邪魔しない様に見張っててくれ…」
惟嶺
「何だか言い方が引っかかるけど…
  響子さんと一緒に過ごせるならいいですよ…」
沙彦
「良い意味で響子の事になると単純になるよな…
  別の意味で危ない予感するから…
   同僚にも声掛けして注意喚起はしておこうか…」
響子
「本当に余計な事まで言ってしまうのは…
  平常運転ですね…」

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