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「いちばんすきな花」と主題歌「花」の感想

 前作「silent」は、1話で脱落。たぶん若くて繊細な人がドラマのターゲット層で、どっしりしてしまった私のような人向けではない。だから今回も没入しないだろうと思い、最初から同時視聴YouTubeと並行して観た。おもしろかった。

 ドラマの中で私が納得した登場人物は、婚約者の春木椿(松下洸平)と電話1本でお別れした小岩井純恋(臼田あさ美)と、結婚を機に潮ゆくえ(多部未華子)と会わないことを決めた赤田鼓太郎(仲野太賀)の2人。グダグダしない誠意があると思う。

 そして待ちに待った「花」。ドラマにピッタリ入ってきた。

 印象的な部分は

 みんな儚い
 みんな尊い
 
 
と、

 さりげなく
 思いを込めてみる
 やむを得ず
 祈りを込めていく

 と、「エイ」のところ。

 「尊い」で思い出されるのは、朝ドラ「らんまん」で寿恵子(浜辺美波)が「里見八犬伝」に感極まって「尊い!」と言っていた場面。
 私が子どもだった昭和の時代であれば、歌詞の「尊い」を厳かに受け止めたと思うけれど、今聴く「尊い」は、こちらの受け止めもオタク用語のニュアンスがちょっと混じって軽やか。
 そして、さりげなく思いを込めたり、やむを得ず祈りを込めたり、藤井風は言葉の組み合わせがいつも素晴らしいなと思う。

 藤井風の新曲を聴くたび、居ても立っても居られなくなって、noteに感想を書くとちょっと落ち着く。落ち着いてからまた聴く。