見出し画像

「星の子」(映画)

 藤井風ライブのためにネットフリックスに入ったついでに、いくつか映画を雑に観た。雑に、というのは音声だけで聴いた部分もかなりあるという意味。ただ、この「星の子」は視覚で説明する描写が多かったので、けっこうちゃんと画面を観た。

 とても暗い映画なのかと思って敬遠していたけれど、登場するのは基本的に温かい人々で、嫌な気持ちにはならなかった。原作は今村夏子。今度読んでみよう。

 主人公のちひろは中学生。両親が赤ちゃん時代の自分の病気のためにひかりの星という宗教にのめり込み、その生活をずっと続けていることに困惑している。
 宗教の分お金がないことを除くと、両親は愛情深く静かな人々。
 ちひろの中学校の友人は、家庭環境を知っているけれど学校でのちひろも知っている。全部知ったうえで友人。地元公立中学ではよくあることだと思う。
 ちひろのおじさん一家は、ちひろ達のことを本当に心配している。
 宗教の集まりはおだやかなもの。

 唯一、嫌な人役だったのは南先生。器が小さかった。自分が受けたストレスを受け止めきれず、ちひろを傷つけるぶちまけかたをした。岡田将生がずっと険のある表情をしていて本当に嫌なやつと思わせる演技だった。

 両親と縁を切るちひろのお姉さんの生き方。
 両親と距離を取るようにおじさんに提案されても、南先生に傷つけられても、現状維持を続けることを選んだちひろ。
 どちらも正解と思える映画だった。