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1月30日のFX(ドル円)の見通し

1.27日は米国のPCEデフレーターが予想通りに

 27日(金)は、朝の1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)が予想を上振れました。最近は、日本のCPIへの関心が高まっており、東京のCPIも全国発表前に注目を浴びることから、129円50銭程度まで円高が進みました。その後、日銀が「1月31日に5年物の共通担保資金供給オペレーションを実施」と表明したことで円安方向に進み、午後には130円を超えて取引されている時間もありました。

 22:30 米国 12月個人消費支出(PCEデフレーター)に大きな注目が集まっていましたが、結果は概ね予想通りとなりました。24:00 米国 1月ミシガン大学消費者態度指数・確報値を経ても、相場に大きな変動は見られず、結局は129円50銭~130円25銭程度の幅によるレンジ相場で一日を終えました。

2.シカゴIMM通貨先物ポジション(下降の色が強い)

 シカゴIMM通貨ポジションは、デイトレードで細かい動きを想定するために活用することは不向きなのですが、相場の大枠の方向性を把握するためには非常に役立ちます。昨年の米ドル/円の大幅な上昇・下降もIMM通貨ポジションを見てみると概ね一致しているものでした。

 先週末に1月24日分のシカゴIMM通貨先物ポジションが発表になりました。については売り残が21,635枚と先週から1,326枚減少しました。いよいよ買い残に転換しそうな数字になってきました。IMM通貨先物を見る限り、今後も少しずつ円高方向へ相場が動くことが想定されます。

 ユーロ買い残が134,349枚と買い残継続です。先週より7,365枚増加しました。ユーロは米ドル相場に大きな影響を与えます。この感じだと今後も米ドル相場は次第に下降していくものと思われます。IMM通貨先物を見ると円高・ドル安方向が基本線であると考えることが自然だと思います。 

3.チャート分析から(上昇の色が出てきた)

 IMM通貨先物を見ると円高・ドル安方向が基本線であると考えることが自然だと記述しました。また、ファンダメンタルズから考えても、今のところ大きな上昇ネタはないように思います。しかし、ネット上では米ドル/円は上昇傾向にあるとする意見が根強いのです。それはなぜかと言うと、チャート上に上昇を匂わせる動きがあるからです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 4時間足

 日足を見ると、21日線に頭を抑えられて下降トレンド継続と見えます。しかし、4時間足を見ると日足の下降ラインより上の位置にチャートが形成されています。つまり、上昇トレンドに転換してはいませんが、下降ラインに下支えされ、次第に上昇のエリアに相場が進んでいることが分かります。このようなことから、ちょっとしたきっかけがあれば米ドル/円相場は上昇に転じると思われているのです。

4.今日のこれからの相場

 今日は510(ゴトー)日です。朝一の時間帯は下降気味でしたが、9時からは米ドルが買われる相場の展開となりました。仲値絡みで130円20銭、10時30分頃には130円30銭付近まで上昇しました。しかし、そこから次第に下降してきました。13:00現在では129円75銭付近です。日足の21日線などが意識されていると思われます。

 相場の値幅は次第に減少しており三角持ち合いの様相になってきました。FOMCに向けて様子見なのかもしれませんし、FOMCで三角持ち合いやレンジを抜けるのかもしれません。何にせよ、現状はレンジ内の動きです。

 今晩は、大きな経済指標の発表がありません。そうなると、先週と相場環境からあまり変化がないように思えます。しかし、先週と大きく異なることもあるのです。それは中国の春節休みが終了して、中国の投機筋が相場に帰ってきたことです。相場への参加者が増えますので、相場の動きにも変化が出るかもしれません。

 また、月末ロンドンフィキシングの期間に入りました。月末ロンドンフィキシングは2日間で行うと言われています。これは、月末に資産状況の整理(リバランス)を行うために、米ドルをポンドに替えるなどといった取引が発生して、ポンドや近接するユーロに大きな相場の動きが生じることです。最終日には0時~1時(夏時間は23時~0時)にポンドが100pips動くことも珍しくありません。

 ただ、リバランスは米ドル→ポンドが多いのか、ポンド→米ドルが多いのかはその時になってみないと分からないので決め打ちはできません。ユーロも同様です。今月は米ドルが売られてきているので、もしかしたら米ドルを買い戻す動きになるかもしれませんが絶対ではありません。 

 今日は、131円40銭にオプションNYカットが設定されています。さすがにそこまで円安・ドル高方向にもっていくことは難しいと思います。しかし、月末ロンドンフィキシングの動きと重なれば相場はどうなるかわかりません。

 そうは言っても、今のところは、27日(金)の動きを踏まえて129円50銭~130円50銭程度の幅でレンジになっていると想定した方が無難です。そこに129円~129円50銭までを足して動きを想定するのも同じですね。

米ドル/円 1時間足

 130円から下降していった場合には、129円60銭付近での反発を期待して、そこから短期勝負のロングを仕掛けてみましょう。129円50銭を確実に下抜けた場合には、129円10銭付近を目指してショートです。129円10銭付近に到達した場合にはそこでの反発を期待して、短期勝負のロングだと思います。

 ただし、129円には買いだけでなく、ストップロス売りもたくさんあるので下抜けされたら速攻で損切りです。また、1月26日(木)は1時間足の21日線などがありましたが、今は上に行ってしまいましたから、そのような点からも以前ほどの反発はないかもしれません。

 130円から上昇した場合には、27日の高値130円25銭付近などで様子を探りながら戻り高値売りのショートを狙います。抜かれたら速攻で損切りです。130円60銭を確実に上抜けた場合にはロング検討です。

 何にしても、損切り近め、短時間勝負が大切だと思います。レンジだと思って損切りをしないでいると急に大きく動いて後悔することもあります。

 本日は、米国長期金利がやや上昇傾向、金相場は不安定な動きであるためやや米ドル高になりやすい日かもしれません。ただ、日本の長期金利もやや上昇傾向のため、こちらは円高要因です。一方、日銀の共通担保オペが明日あることを投機筋に重視されてしまうと円安要因です。13:00現在で通貨の強弱チャートの4位は米ドル、7位は円ですから今後に注目です。

 なお、18:00 ドイツ 国内総生産(GDP)の結果によっては米ドル相場にも影響が出ることがありますので一応心得ておいてください。 

 今の相場は、いつ何があるか分かりません。ちょっとしたきっかけで反転することがあります。損切り近めで、短時間の利確を繰り返した方が安全です。なお投資判断は、あくまでも自己責任でお願いします。

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