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慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど

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慢性骨髄性白血病患者です。分子標的薬を2年弱服用しました。その後服用を中止して3年以上になりますが、最近の1年間はBCR-ABL1遺伝子量検査の結果が連続して「検出せず」になって…
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慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど  #9 治療の中心は線維筋痛症外来へ

 今から2年前の冬に始めて線維筋痛症外来を受診した。その病院は自宅から19kmも離れているが、バスなら乗り換えなしで自宅近くのバス停から病院前のバス停まで行けるし電車でも行きやすかった。また、その地域の大病院で診療科の数や検査態勢も充実していて安心だった。  初診は1時間くらいかけて丁寧に問診や触診をされた。当時は手の強ばりが特に強く手足や背中に痺れや強い痛みがあったが、体を触ってもどこが痛いかわからなかった。線維筋痛症の診断では体の数カ所を押して痛みが出るかという点を重要

慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど  #5 土地を買って家を新築

 当時は、私の親に子どもの面倒を見てもらいつつ、年老いた親の支援も身近でできるように実家から70mの場所で戸建ての借家に住んでいた。病気になる前は妻と「退職後は海に近い暖かい土地で家を建てよう」と夢を語っていたが、実際には実家の土地で家を建て替えるのだろうと思っていた。   ところが血液内科で御世話になっている病院は、当時私が住んでいた家から19kmも離れていた。この距離の運転は副作用で体が不自由になっていた私にとって大変だった。最寄りの駅までの道も1.7kmのうち半分近く

慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど  #4 経済的な逼迫

 私の医療費は、高額療養費制度や所得税の還付などを活用しても1年間で600,000円以上かかっていた。しかも、これは還付後の金額なので病院や薬局の会計では自分で請求額を支払う必要がある。入院が複数の月に渡ったケースでは入院費や薬代で一ヶ月に500,000円程度払ったこともある。  もちろん、この金額は私が現役世代として収入を得ているからであり、高齢者などの収入が少ないケースでは幾分か金額は減るだろう。ただ主治医の「一生薬を飲んでもらうんですけれどね。」 という言葉どおりなら

慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど  #3 副作用と仕事

 骨髄穿刺の結果は「慢性骨髄性白血病 慢性期」だった。3段階ある病気の進行度の中で、もっとも急を要しないレベルだった。そこで、3週間近く入院した後、数日の自宅療養で職場復帰した。仕事が気になってしまい、主治医と相談の上で少し復帰時期を早めたのである。  復帰したときの私は、浮腫で顔がパンパン。二重まぶたが一重になっていた。また、少しずつ全身に強ばりが出てきて動きにくい。発疹の数も多く、特に顔のニキビがひどかった。それでも、体が薬に慣れれば治まるだろうと思い、まずは前と同じよ

慢性骨髄性白血病は完全寛解したけれど  #2 入院①<スプリセル対応>

 入院する日。妻にも同行してもらって手続きをした。限度額適用認定証が必要なのだが、てっきり病院を通して手続きをするものだと思っていた。しかし、加入する健康保険の機関に自分で手続きをするものらしく、最初から御指導をいただいてしまった。  大部屋や個室が空いていないとのことで機能を停止した無菌室で一週間ほど過ごした。血液内科の入院病棟に行って驚いたのは、医療従事者や患者のほとんどがマスクをしていたことである。それまでマスクをしていなかった私は常時マスクをすることに馴染めていない