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3月5日、6日の総務委員会

速報でお伝えしたように、3月5日6日に、総務委員会で人権条例についての審議が行なわれ、人権条例については継続審議となりました。
ひとまず、多少なりとも修正される可能性が残されました!

ただ、「修正される可能性がある」というだけで、「修正されない可能性」もある訳です。

最終的には3月27日の三鷹市議会本会議を待たなければなりません。
まずは、総務委員会で何があったのか、順を追ってみていきます。

3月5日 市側の答弁

この日の総務委員会では、三鷹市が提案した人権条例についての審議がありました。市側からは、市長、副市長、企画部長のほか、企画経営課などの職員3名が出席しました。

条例案について、委員からの質問に市側が答えます。
以下は、市側の答弁の一部です。

・条例案にパブコメの意見が1割程度しか反映させなかった理由は、市側が考えていた理念条例の範疇でない意見は採用しなかった結果。
・禁止規定を全て書き込むとキリがない。100とか200では済まない。
・市民の権利については、憲法に書いてあるから条例には書かない。それぞれの責務を果たすことで、誰もが人権を尊重されるまちを目指す。条例全体を読めば分かるはず。
・「不当な差別」を具体的に定義しないのは、グレーゾーンもあるから。結局は司法判断となる。
・市長の非難声明というのも、(差別かどうかは)司法判断になるので考えていない。
・相談員については、法的な助言に重きを置いている。適切な他の相談窓口を紹介するための窓口。「救済」の範囲が難しい。結局は司法判断。だから適切な他の窓口を紹介する。市には救済できない。

いかがでしょうか?
いろいろとツッコミたいことだらけですが、「結局は司法判断」という言い方が特に気になりました。

市として、差別事案にあたるかどうかの判断をしたくない。
差別の認定をしない、したくない。
差別認定しないので、人権侵害事案としての救済もしない(できない)。
だから、理念条例ということにしておいて、禁止規定も曖昧なままにしておきたい。

という姿勢を感じました。
結局、市は責任を取りたくない、関わりたくないのでしょう。

とにかく、今回のテキトーな人権条例を作る意義や必要性を全く感じられない答弁ばかりでしたが、どんなに問題を指摘されても市側は一言一句変えるつもりはないということがわかりました。


3月6日 「市民の会」の答弁

この日の総務委員会には、「市民の会」が出した陳情について補足説明をするために「市民の会」から2人と、法的な視点からのご意見を頂くために弁護士の師岡康子さん、合わせて3人が出席しました。

師岡康子さんは、民族差別の被害者の代理人として裁判を担い、また、東京弁護士会が2018年に発表した人種差別撤廃モデル条例案作成にも関わったかたです。

まず、この日の朝までに提出した署名の総数が発表されました。
署名総数は439筆!
173筆を提出した26日の時点から、9日間で266筆も増えました!
ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!

次に、陳情内容や、条例案の問題点を説明し、次に師岡さんから法的な視点からの補足説明をして頂きました。続いて、人権課題についての困りごとを抱えるかたの支援に長年取り組んでいる「市民の会」メンバーから今回の条例についての想いを話しました。

そして、陳情の内容について、前日と同じように委員から色々な質問を受けました。以下が主な内容です。

禁止規定について

・何でもかんでも差別だとならないように、属性を理由に差別することを禁止できるように、具体的な属性を例示するべきである。
・マイクロアグレッションまで禁止するのではなく、差別する意思をもってする行為を禁止できるように修正する必要がある。
・市は、補足説明のために逐条解説を作ると言っているが、条文を見ただけで何が禁止されているのかわかるようにしないといけない。
・今のままでは、何を禁止されていて、何をしてはいけないのかがわからないので、誰もが加害者になってしまう可能性もある。

相談員について

・相談員は、相談に来た人に助言することしかできないので、実質的な救済にならない。
・差別され被害を受けた人が、裁判をしなくても救われるような制度にする必要がある。
・市ができることには限界があると市側は言っていたが、国立市や川崎市はオンブズマンが人権侵害事案かどうか判断している。市の職員が判断する必要はない。

人権条例をつくる意義は?

・条例がなくとも、啓発などいろいろな施策は行えるし行われているが、禁止規定や救済措置はこのような条例でなければ行えない。今回の三鷹市の人権条例は、一番大事な肝の部分が無い。
・せっかく人権条例をつくるなら、理念しか書かないのはもったいない。


質問をしてくれたのは、きらりいのちの野村羊子議員と、共産党の栗原けんじ議員だけでしたが、前日の市側の意見に十分反論できたのではないかと思います。

その他、「市民の会」のメンバーからは、実際に困っている人が今回の条例案を見ても、「三鷹市が助けてくれるかもしれない」「三鷹市に相談してみようかな」とは、とても思えない内容で、もっと、弱い立場の人に寄り添ったものにしないといけない、という趣旨の発言もありました。

限られた時間の中で、できる限りの主張をしました。
この日のやりとりを、市長並びに担当職員にも聞いてほしかったです。
私たちの想いが多少なりとも伝わったのか、陳情が却下されることなく、市が提出した条例案と「市民の会」の陳情、共に継続審議となりました。

少しだけホッとして市庁舎を出ると、前日からの雨は止んでいました。

最終的には、3月27日の三鷹市議会本会議で決まります。

それまで何かできる事があるのか、考えて行動していきます!

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