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命日

 今までとても幸せだったし運が良かったから、これから先、何か不幸や不運なことが起こるのじゃないかという気がしていました。だから、自分が地獄に落ちたようなつらい目にあった時、やっぱり来たか…と思ったのです。辛くて泣きながらも、冷静な自分もいたのです。

 今は涙も枯れ果て、自分は死んでいるような感じで、痛みや空腹とか何も感じません。眠りから自然に目が覚めてぼんやりと思います、まだ生きているんだな、と。何もする気も起きないし何もしたくない。時間が過ぎていくのを待っているだけの毎日。

 誰しも生きている間、幸福と不幸が半々に訪れるものなのでしょうか。自分の幸福な時間が全て消え失せ心をえぐられるような不幸。半々なんかじゃありません。これから先、何か嬉しいことや楽しいことが起こるはずもありません。

 毎日思い、考える。想像する。祈る。夢の中で会いたいと願う。願いがあふれて天に昇り、雲になり、どこかに流れていくだけ。

 

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