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私を生きる 〜新聞記事に再び涙〜

2024年3月27日

今日の朝刊(読売新聞)に、「がんと言われた時から」という市民公開講座の記事が掲載されていた。講演会が行われ、そのまとめのようだ。

体重管理と運動が需要
仕事と治療の両立 目指す
妊孕性温存の可能性
「健全思考」人生幸福に

という見出しが並んでいる。久しぶりに集中して記事を読んだ。

視聴者からの質問と回答も掲載されていたが、その内容を読むと
「やっぱり体重管理と運動は続けていくべきなんだ」
とか
「自分も同じように悩んでいたな」
とか
書いてある内容が自分の経験した記憶と合わさってズンズン突き刺さってくる。
もし私ががんを経験していなかったら、新聞記事を読んでもここまで感じることはなかったと思う。

知らぬ間に泣けてくる。
悲しい涙ではない、前向きな涙。
自分がやっていること、自分が考えていることは間違いじゃない、これでいいんだって思えた涙。
私は私の人生を生きるために、このチャンスを逃したくない。
「乳がんです」と宣告されたあの瞬間、全ての色が消え匂いが消え、フワフワして、ただひたすらに涙したあの日から、私は自分の人生を自分のために生きていきたいと思うようになった。自分のことを愛してやりたいと思った。
今は「本当にがんだった?」と思えるぐらい落ち着いている。が、仕事はセーブしたまま。時間もゆっくり流れ若干の罪悪感も感じるが、焦る私に友人たちは「今まで頑張ってきたんだから、これぐらいのペースでもいいんじゃない?」と私の価値観を変えるようにサポートしてくれる。

いいんだ、これで。
私、我慢しすぎていたかもしれない。
病気を患う弟のことを頼むと言い残して旅立った両親に「私は自分のことも大切にしていきたい」と大きな声で伝えたい。

「私を生きる」というタイトルをつけて日記をつけ始めた自分を褒めてやりたい。
あなたが考えてきたことは、今の私にとってはとても誇らしい。


特にグッときた新聞の文章を忘れないためにも書いておく

「がんを持って働くということには意味があると思います。命を直視する体験は人に変化をもたらし、自分の仕事の意味や自社の製品の意味を再確認できます。組織にとっても、がん体験を含め様々な体験をした方がいることで異なる視点を持つことができ、多様性への理解が深まるのではないでしょうか。がんと向き合って働いているあなた自身が、職場のがんイメージを変えているのです by 高橋都氏 NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク代表理事」

「がんは今や慢性疾患であり、長い治療期間を送ることになります。今までの人生を第一幕とし、この期間を新しい第二幕が始まるまでの「幕あい」と考え、どんな人生にしたいのかをじっくり考える機会にしてください。周囲の人と感謝し合える人生にしたい、愛し合える家族というものを追求したいなど、人生の価値観や方向性を考え、しっかりと歩んでいっていただきたいと思います。 by保坂隆氏 保坂サイコオンコロジー・クリニック院長」

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