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こどものための本 感想

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こどものために書かれた本を読んでいきます。
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#サトクリフ

ローズマリー・サトクリフ 『夜明けの風』

僕にとってのストーリー:ひたむきさ。とにかくひたむきに生きる。世の中は変わる、盛者必衰。黒が白になるような大きな変化の中、他者のためにオウェインは生きる。自己犠牲。100%、何かの集団に所属することはできない。 『ともしびをかかげて』の続編。本当に素晴らしい。児童文学と呼ばれるサトクリフの本ですが、大人が読んでこそ感動するのではないかと思います。 主人公のオウェインは、ケルトの王の若き戦士。14のとき戦場ですべてを失った。それからは、運命に翻弄されながら、常に他者のために

ローズマリ・サトクリフ 『アーサー王と円卓の騎士(サトクリフ・オリジナル』

僕の読み方: アーサー王出生前から、円卓の騎士の集合、主要な冒険を描く。 円卓の騎士の個性、サトクリフの現代的感覚と時代考証のバランス。冴えた表現。お見事。 訳者あとがきによれば、チルドレンズブックオブザイヤーという賞を獲得したそうです。一流作家サトクリフによる、アーサー王伝説へのオマージュです。 アーサー王三部作は、1979~1981年の作品。日本には、訳者の山本史郎氏によって、2001年にはじめて出版され広く受け入れられました。 作者のサトクリフにとっては、アラウン

ローズマリ・サトクリフ 『ともしびをかかげて』(上下)

僕にとっての作品:運命は過酷。アクイラはローマの教養を身につけたブリテン島の若きケルト系軍団長。4世紀、衰退を迎えたローマ。サクソン人の侵入に対し、アクイラは任務であるローマの防衛よりも、本能で「故郷」を選ぶ。運命は過酷。教養と文化を離れ、本能と本能がぶつかりあう歴史の中へ。生き抜く。故郷と家族は、同義。 素晴らしい歴史小説でした。サトクリフ氏は児童文学作家として知られ、この本も中学生向けだそうです。しかし、そういったことはどうでもよいほど感動的。大人もこどもも読んで得られ