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おむつ交換台でのヒヤリハット①

おむつ交換台での事故のほとんどが、親が目を離した一瞬

お出かけ先でのおむつ交換台はとても便利で、最近ではやっと男性トイレにも設置されるようになってきました。

30年前は「あると助かる」と言われていたのが、今では「あって当たり前」になり、お出かけも随分しやすい世の中になってきました。

ただ、ここで注意してもらいたいことがありますので、今回はそのうちのひとつをご紹介します。

トイレなどに設置してある
開閉式のおむつ交換台

おむつ交換台は親が立って作業しやすい高さの台になっているため、正しい使いかたを守らないと赤ちゃんが落下するおそれがあります。

では正しい使い方は何かというと、
子どもから目を離さない、離れない
ということです。

「なんだ、当たり前のことじゃないか」と思われたかた、実はその過信が一番、危険です。

おむつ交換台の落下事故で多い赤ちゃんの月齢は、だいたい生後4ヵ月~12ヵ月です。
なぜその月齢に集中しているかというと、身体の動きが活発になる時期だからです。

早い赤ちゃんでは生後3~4ヵ月で寝返りがスタートします。
昨日できなかったことが、今日は出来るようになることもあるんです。

「まだ寝返りできないから大丈夫」「まだハイハイできないから大丈夫」という判断で、赤ちゃんから離れるのは絶対にやめてくださいね。

赤ちゃんは親の顔が自分の視界から消えると不安になり、必死になって親を探そうとする場合があります。
おむつ交換台のベルトは横ずれ防止のものであって、落下防止の安全ベルトではありません。
ベルトをしていても、身体をクルリと回転させ、這いずり姿勢でおむつ交換台から抜け出す赤ちゃんもいます。

「ほんの2~3秒だから」と油断して離れると、万一の事故につながりやすくなります。

赤ちゃんを危険から守る方法


そうはいっても、ずーっと目を離さずにおむつ交換の作業をするなんて現実的ではない、と思われるかと思います。

まずは、おむつ交換の作業中に親がなぜ赤ちゃんから目を離したり、離れるのか考えてみましょう。

人によって様々ですが、例えば次のような状況が考えられます。

・新しい交換用の紙おむつを、バッグから取り出しに行くとき
・お尻を拭いてあげるウェットティッシュを、バッグから取り出しに行くとき
・作業中に汚れてしまった手を洗いに、シンクまで行くとき
・汚れた紙おむつを捨てに、ゴミ箱の置いてあるところまで行くとき
・子どもの洋服が汚れたので、バッグから着替えを取りに行くとき
・子どもが騒ぎ出したので、慌てて子どもの好きなおもちゃ(最近はスマホ)をバッグから取りに行くとき
・子どもの靴を履かせようと、しゃがんで靴を手に取ろうとするとき

これらのことを、おむつ交換中、子どもから離れずにできれば良いわけです。

でも、それはちょっと難しい…、と思ったかもしれません。

おむつ交換台には、荷物が置けるスペースを確保したり、荷物フックが付いているタイプがあります。
ベビー休憩室の木製おむつ交換台でも横に荷物台が併設されているタイプがあります。

おむつ交換の作業をはじめる前に、それらの作業スペースがあるかを確認しましょう。
置けるスペースがありましたら、交換用の紙おむつ、使用済み紙おむつを捨てるポリ袋、ウェットティッシュ(自分の手も拭ける分を用意)などをそこに置きます。

その場合、子どもの目に付きやすい位置は避け、いたずらされないようにするのが望ましいです。

また、着替えやおもちゃなどは万一のときにすぐに取り出せるように、バッグ上部に入れておき、荷物台やおむつ交換台の荷物フックに掛けておくと便利です。
はじめからおもちゃを子どもに持たせてあげる場合は、投げられたり落とされたりしないように、紐付きクリップなどで服に取り付けておくと良いでしょう。

ただ、おむつ交換台によって荷物を置くスペースや荷物フックなどがない場合もあります。

その場合は、マザーズバッグなどの大きなバッグの他に、あらかじめそれらが入る携帯用のショルダーバッグや腰に巻くポシェットなどを用意しておきます。
作業前にそれらを身に付け、すぐ必要なものが取り出せる状態にしてから作業に取りかかります。

靴を脱がせて作業をする場合は、持参したポリ袋などに靴を入れ、荷物スペースの上に置いてから作業します。

使用済み紙おむつを捨てるのは、作業中ではなく、赤ちゃんの安全が確保できてからにしましょう。
施設側では親が赤ちゃんから離れないように、おむつ交換台の下や横に紙おむつ用ゴミ箱を設置してくれているところもあります。

おうちでもおむつ替えセットを活用♡

なんだかとても準備が大変そうだと感じましたか?

靴以外は、日頃から自宅でのおむつ交換時に準備するものばかりです。
自宅でもおむつ交換セットとしてまとめてそれらを用意し、
近くに置きながら作業すれば、外出先でも慣れるでしょう。

また、靴を履く年齢になりましたら、立たせておむつ交換もできる着替え台を利用するのが便利です。
重くなったお子さまを持ち上げないで済むし、パンツタイプの履かせる紙おむつは作業がしやすくなります。

着替え台のピクトサイン

何より、パンツタイプの紙おむつは、子どもを立たせて高い台の上でおむつ交換をすることになりやすいので、万一のリスクを考えると、着替え台の方が安全です。

親が焦ると事故は起きやすい

子どもから離れないことは十分にわかっている、というかたは多いと思います。

でも赤ちゃんが泣いてから、慌てておむつ交換する場所を探したときは、準備を忘れてすぐに作業に取りかかることってないですか?

普段はきちんと準備してから作業していても、焦っているときは、つい忘れてしまいがちです。

これを読んでくれたかたが、赤ちゃんが泣いたりぐずったときに思い出していただき、焦らずに準備してからおむつ交換作業をしてくれたらいいなと願っています。
おむつ交換台でのヒヤリハット②|河村 眞弓 / 赤ちゃんとのお出かけ環境プランナー (note.com)
おむつ交換台でのヒヤリハット①|河村 眞弓 / 赤ちゃんとのお出かけ環境プランナー (note.com)

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