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動作性IQを高めるためには

 動作性IQの指標の一つである知覚推理(推論)の数値を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか。能力発達の手掛かりを掴むためには該当の能力が高い具体的な人物を想像する必要があります。

 私が想像する知覚推理が高い人は車の運転能力が高い人です。私がこのように考えたように、動作性IQが高い人は運転能力が高いだろうと考える人は少なくないように思いますが、なぜこのような関係が成立するのでしょうか。

 この関係を分析する時に必要になるのは、運転に必要な能力を因数分解することです。ここで実際に運転に必要な能力を因数分解してみましょう。

 運転免許の教本には、
・認知(信号や障害物等を見る・聞く)→
・判断(認知した情報を基にして、どうするか考える・決める)→
・操作(自分の判断を基に実際にアクセルやブレーキなどを動かす)→
・修正(認知・判断・操作が正しかったか確認して修正する)→
・認知の繰り返しだと書かれています。(ちなみにこの繰り返しは仕事で言うところのPDCAサイクルに酷似しているため、運転が上手い人は仕事もできると考えられます。)
 つまりは運転の能力 = 
 認知 × 判断 × 操作 × 修正であると言えます。

 これを動作性IQに当てはめて考えてみると、
認知 → 処理速度(情報を処理するスピード)
判断・操作 → 知覚推理(推論能力など)
であり、修正が結晶性知能(長年の教育や学習によって高められた能力)であるとすると、運転の能力は
= 処理速度 × 知覚推理 × 結晶性知能(経験など)

と考えることが出来ます。

 過去に運転をした回数が多いのにも関わらず、どうしても事故を起こしてしまう人や危なっかしい運転をする人はいるでしょう。この例は結晶性知能(経験など)を高めても運転能力を飛躍的に高めることが出来ないことを表しています。つまり運転能力において、動作性IQ(処理速度・知覚推理)が占める割合がかなり大きく、動作性IQが簡単に改善しないということを表しています。


 と、ここまでお勉強のようなことをしてきましたが、運転が上手い人は次に起こる危険などを予測をするのが上手いということに実体験から気付いている人は多いと思います。

 車の運転は人間が道を歩くのとはわけが違います。構造上どうしても死角が出来てしまう車という自分の体とは全く別のただの機械を、不自由ながらもスピードを出しながら操作しなければなりません。当然交通事故のリスクはかなり高まります。そのため、見えない部分を見る(予測する)ことが必要になってくるのです。

 試しに目をつぶって自分が今いる場所から一番遠い部屋や場所に行ってみてください。見慣れた自分の家だとしてもかなり恐怖を感じると思います。それだけ僕たちは目からの情報(視覚的情報)に日常的に頼っているということです。

 目が見えない状態で目的地にたどり着くには、どこに何があるかを予測する必要が出てきます。この予測こそが知覚推理(動作性IQ)を高めるために必要なものです。

 以前の記事で音ゲーが動作性IQを高めるというように書きましたが、音ゲーの練習は処理速度(頭の回転)を主に高めます。知覚推理をより高めたいのであれば、ゲーム画面の一部(タッチする部分以外の画面の中央あたり)を隠した状態でプレイすることが有効だと思います。視覚的情報を奪うことによって次の展開を予測する必要がより生まれるからです。

 

 
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