オオバコ

1匹と2人の3名家族です。 チンチラ氏と暮らす日々を記録に残そうと思い、noteを始め…

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1匹と2人の3名家族です。 チンチラ氏と暮らす日々を記録に残そうと思い、noteを始めてみました。

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チンチラとの出会い

「何だか、犬のようだな。」 彼と出会った時の印象だ。 晩秋のある日。関西人のパートナー(以降K氏)と私は、2人暮らし準備のため、商業施設を訪れていた。 そこで何の気無しに立ち寄ったペットショップに、彼がいた。 「チンチラ(チェコ産)」 と書かれたプレートの下で、元気いっぱいに滑車を回してはこちらに寄ってきて、くりくりした目で愛嬌を振り撒いていた。 他店で見かけたチンチラという生き物は、草食動物特有の離れた二つの目を眠そうに細め、人類には興味がありませんという風態だった。

    • 夕飯をマックにすればGW延長戦

      連休明けの長い長い1日を乗り切った。 心の中で日本中の同志と(勝手に)労い合いながら、PCを静かに閉じた。 通常の平日であればここから夕飯の準備をする。 ただ、今日は疲れ果てて全くその気が起きない。 連休が終わってしまった絶望と相まって、体が動かない。 どうしよう…一旦YouTube観よう…と、現実逃避のためにスマホでアプリを立ち上げた。 すると、飛び込んできた。「マック爆食」の文字。 そうだ、マックがあるじゃないか...! マックパーティーしたらそれはまだ(気分的に)G

      • 眠れない夜とパンと本

        連休最後の夜はなかなか眠れない。 20代の終わりからそれは事象として顔を出し、不本意ながら定着していった。 自分の能力に対して仕事の難易度が上がると、日曜日の夜は基本眠れなくなった。 最初は焦り、あの手この手で眠れるように試みた。 眠る数時間前からスマホを断ちをし、部屋を暗くして眠気を待ったり、日中運動をしたり。 それでも眠れず剛を煮やし、薬局に売っている睡眠改善のための薬やサプリを飲んだりもした。(翌日午前中いっぱい眠くて大変だった) 吉本ばななさんの「キッチン」がとても

        • 誠にご無沙汰しております(コロナでした)

          もし覚えていてくださる方がいらっしゃいましたら、お久しぶりです。オオバコです。 1年ぶりにNoteを書いています。 誰に責められる訳でもないのに、しばらくサボっていた大学の授業に、単位が出るぎりぎりのタイミングで、人目を忍んで戻ってきたみたいな気持ちです。 Note離れのきっかけは、丁度1年前にあいつに捕まってしまったからなのです。 そう、コロナ。 今でも鮮明に覚えています。 去年の5月上旬、西方出張から帰ってきてきっかり2日後。 仕事をしていると11時頃にうっすら関節が

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        チンチラとの出会い

          ソウル旅行は脳に良い

          我ながら、怪しげなタイトルだ。 先日、韓国のソウルに行ってきた。 元々、海外に出かけるのが好きで、コロナ前は台湾、ベトナム、イスラエル、トルコ、ドイツ等他にも様々な国に足を運んできた。 海外旅行の良いところは、日常生活から明確に離れられることだと思う。 飛行機が離陸し眼下に雲が広がると、肩が軽く、息がしやすくなり、ほっとする。 断じて日常生活に不満があるわけではなく、日々を楽しく過ごしている。 しかし、全てを海を隔てた向こう側に置いて行けるということが、心の深いところに蓄

          ソウル旅行は脳に良い

          チンチラ、春を嗅ぎ取る

          チンチラは、鼻頼りで生きていると思う。 私が帰宅すると、寝ぼけ眼でケージから鼻だけ出し、匂いを嗅ぐ。 そうして、家人であることを確認し、安心したように再び眠りにつく。 一方、来客の際には、近づいて匂いをチェックした後、見知らぬ生き物であることに気づき、ぎょっとした顔をしている。 視覚で物を区別せず、嗅覚で判断しているのだ。 他にも、食べ物を差し出すと鼻先まで持っていき、匂いが気に入らないと無情にも投げ捨てる。 厳しいソムリエ。 そんなチンチラ氏だが、どうやら嗅ぎ分けるのは

          チンチラ、春を嗅ぎ取る

          チンチラの桃源郷とは

          「どこにでも住めるとしたら?」 この問いに、チンチラを愛する人々は何と答えるのだろう。 チンチラの住環境を考える上で重要なのは、温度と湿度だと言われている。 健康に過ごせるのは温度20℃前後、湿度30〜40%と言われ、1年通してこれらを一定に保つことが望ましく、夏も冬もエアコンが欠かせない。 そのため、自然災害の多い日本に住むことは、不安と隣り合わせだ。 台風や地震で停電すると、空調が途絶え、チンチラの命に関わることもある。 (湿度は、換気や除湿剤などアナログな方法で調節可

          チンチラの桃源郷とは

          眠れない夜をチンチラに肯定された話

          最近、悩み事があると眠れない。 20代の頃はあまり悩まないで生きてきたし、どうしても悩んでしまう時は腹痛として現れたが、ここ1年程、睡眠への影響が出始めた。 悩み事と不眠は、相性がとても悪いと思う。 夜、疲れた脳は、思考を理性的にコントロールできない。 悩み事は深刻な方角に逸れ、思いつく解決策は過激だ。 その結果、不安や興奮を掻き立て、眠れなくなる。 そして、「眠れない」ということが更なる悩みとして、重くのし掛かる。 世界が睡眠によって回復し、翌日に備えている中、自分だけが

          眠れない夜をチンチラに肯定された話

          真冬のサムギョプサル

          栄養不足だな、と感じるのは忙しい時だ。 仕事に追われ、朝はパン一枚、昼をすっとばして、夜はコンビニに駆け込む。 数日続くと、ささくれができ、肌の表面がざらっとする。そして疲れが取れない。 家で作ったご飯が食べたい。野菜が、肉が食べたい。 そんな時、颯爽と現れるのがサムギョプサルだ。 豚肉、サンチュ、キムチを買ってきたら、ホットプレートと一緒に食卓に出すだけ。 あとは各々で肉を焼き、サンチュに包んで食べる。 余裕があれば、適当にハサミで切ったほうれん草ともやしをチンして、塩

          真冬のサムギョプサル

          エゴン・シーレ展で思った事

          エゴン・シーレ展に行ってきた。 そこで、思いがけず素敵な作品に出会った。 それは、同時代に活躍したアルビン・エッガー=リンツという画家の《昼食(スープ、ヴァージョンⅡ)》という作品だ。 5人の農民が昼食のために食卓を囲み、農作業の合間の疲れた様子で、そっとスープを飲んでいる人もいれば、ぐったりとテーブルに寄りかかっている人も居る。 静かなその光景を、午後の光が包んでいる。 この光景を絵に残した感性が、とても好きだ。 描かれた彼らにとっては、日常。 ただ、少し離れて見る

          エゴン・シーレ展で思った事

          クロワッサン的寝姿

          野生のチンチラは、アンデス山脈の頂上付近に棲息している。その気温は-20℃にもなり、厳寒に強い生き物だ。 しかし、我が家のチンチラ氏は17℃のリビングで寒そうに丸まっている。 その姿が憐れで、思わずエアコンの温度を上げ、ペット用ヒーターの電源を入れる。 しばらくすると温かいヒーターの上に横向きに身体を投げ出して、寝息を立て始める。 上から見ると、三日月型のクロワッサンそっくりだ。 寝言なども言う。 初めて見た時は、草食動物らしからぬリラックスした姿に笑ってしまった。 一

          クロワッサン的寝姿

          頬に感じたフローリング

          その夜、私達は真っ暗な部屋で這いつくばって、途方に暮れていた。 犬や猫に比べて、家チンチラがどのように暮らしているかはあまり知られていない。と思う。 ハムスターのように、人生の大半をケージで過ごすと思われているかもしれないが、チンチラには「部屋んぽ」という文化がある。 部屋んぽとは、室内で行われる散歩のことだ。 基本的にケージの中で暮らす彼らだが、健康のため、毎日決まった時間に部屋に出し、運動してもらうのだ。 非常に大きなケージで飼われている場合は別として、多くのチンチラ

          頬に感じたフローリング

          チンチラのカビと弟のカビ

          例のチンチラのお迎えを決めたパートナーのK氏と私は、ペットショップで売買契約を結び、2週間後に我が家へのお迎えを控えていた。 K氏は、遠足前の子供のようにお迎えの日を指折り数え、いじらしいほどその日を楽しみにしていた。 そんなある日、ペットショップから電話がかかってきた。 店員さんが「チンチラさんが真菌症にかかってしまった。治療をするためお渡しが遅れてしまう」と電話口で申し訳なさそうに言った。 「真菌症」と聞き、私はあることを思い出していた。 私には弟がいる。 昔、弟が

          チンチラのカビと弟のカビ

          「通い飼い主」になる

          初対面以降、すっかりチンチラに魅了されたパートナーのK氏と私は、チンチラのお迎えについて話し合った。 そして「命を迎えることだから、よく考えよう」と一旦保留とし、チンチラについて調査を深め、他のチンチラの里親になることも視野に入れサイトをチェックし始めた。 それでも、気づけばあの愛嬌溢れるチンチラのことを考え、毎週末顔を見にペットショップを訪れていた。 K氏はペットショップに行くたびに「上の段にいる、気が強い鳥にどやされてかわいそうだ」とか「かわいいからすぐ売れてしまうか

          「通い飼い主」になる