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話し方教室で学んだこと#3 人は本来誰でも話がうまい!自称話下手に本当に下手な人がいなかった怪現象の理由


はじめに


以前、話し方教室に通っていました。4-5年通っていましたので、50人近い受講者の方の話を聞いたと思います。

通い続けている方で、話すことに自信があると言っている受講生は1人もいませんでした。

ところが、奇妙なことに、なるほどこの人は話が下手だ、と思ったことは一度もなかったのです。


むしろ、すばらしい話だと思って聞くことが多かったです。

通っていた当時は、素晴らしい話ができるのに自信がない人が多いのだな。単純に思っていました。

今、記事に書くために振り返って、違う考えに行き着きました。

それは、「人は本来だれても話が上手い。本来の話す力を引き出す環境を先生が作ってくれていたのではないか。」という考えです。

どういうことなのか、書いてみたいと思います。
 

教室に入ったきっかけ

私は話すのが得意なほうではありませんでした。当時、昇格試験を受けようと考えていたため、面接の備えになるのでは考えました。

ネットでしらべるとNHKのカルチャーセンターに話し方教室があることがわかりました。講師は元NHKアナウンサーの方でした。

一度教室を見学させてもらい、とても和やかな雰囲気だと思いました。ここだったら続けていけそうだと感じ、受講を決めました。


授業の内容

この授業の進め方に、自称話下手に話が下手な人がいなかったポイントがあったようです。

授業の流れ

・Aさんが、話したいテーマで話をする 時間は決まっていないが2~5分程度 この時Aさんはレコーダーで自分の話を録音する

・話が終わると先生が、一言二言コメントをする コメントの内容は常にポジティブ。(ごくまれに録音した自分の話を再生して確認することがある)

・Bさん、CさんがAさんの話に対して、感想を話す(ルールはないが、ほとんどがポジティブな内容)

・先生が、感想に対しても一言二言コメントをする。コメントの内容は常にポジティブ。

・話し手と聞き手の役割を変えて、一巡する。


なぜ自称話に話が下手の人が1人もいなかったのか

当時の考え

教室に通っていた当時考えていたのは、次の2つの理由でした。

仮説1 話し方への感度が高く、自分でハードルをあげている?
話すのに自信がない人は話し方について、どう話すと良いのかという感度が高い。それによって自分でハードルを上げてしまっているのではないか。そのため人並み以上に話ができてもいても、満足できない。結果自信を失っているのではないか。

 
仮説2 何かのきっかけで話が下手だと思い込んでしまった?
これまでに何かうまく話せない場面がたまたまあった。うまく話せなかったのは話す力の問題ではなかった。しかし、その経験を引きずって自信を失っているのではないか。

当時考えたのはここまででした。しかし、何かうまく說明がつかない、と思っていました。


新しい仮説 みんながうまく話せる環境を、先生がつくっていた

   
今回記事を書くために振り返ってきて気が付きました。実は先生が、誰でもうまく話せる環境を作ってくれていたのではないでしょうか。

どういうことなのか說明します。ポイントは授業のスタイルです。

授業のスタイルとして、話す内容のお題はありませんでした。自分の話したいことをしゃべれば良かったのです。

自分が話したいことであれば、話すことにも自然と気持ちがこもります。気持ちがこもりますから、その人にしか話せない素晴らしい話になります。

また、他の受講生は話を聞いて何らか感想を述べなくてはいけません。話を真剣に聞く必要があります。聞き手が真剣に話を聞いてくれる、話し手にとってこれ以上話しやすい環境はないのではないでしょうか。

更に、受講生が感想を述べる前には、先生は話の内容を振り返り、必ずポジティブなコメントを返します。

プロである先生が必ずポジティブなコメントしか返しません。受講生も自然とポジティブな感想を述べます。

受講生はここでは思っていることを素直に話しても受け入れてもらえると感じるでしょう。

素直に話せるのですから、その人の内面を反映した素晴らしい話ができるはずです。

このように、先生が話したいことを素直に話せて受け入れられる環境をつくってくれていた。だから自称話下手に本当に話の下手な人がいなかったと今は考えています。


おわりに

記事を書いていて頭に浮かんだのは、赤羽雄二さんのゼロ秒思考に書かれていた「人は本来みんな頭が良い」という言葉です。

メモに考えを書き出すことで、自分がかけているブレーキをはずせれば、本来の頭の良さを発揮できるということです。

話す事も同じなのではないでしょうか。自分にブレーキをかけずに話せれば、その人しか話せない素晴らしい話に自然となってしまう。

つまり「人は本来みんな話が上手」なのではないでしょうか。

素直に話のできる場を作ることが、本当に大切だと思います。

私もたくさんのテーマで話をさせていただきました。先生は毎回必ず、ポジティブなコメントをくださいました。本当にありがたいことだったと当時を懐かしく思いだしました。

教室をやめるときに、先生が餞別ですと言って次の学期のテキストをくださいました。これは今も大事にとってあります。

そのような環境を先生が作って下さったことに、ようやく気が付き、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。