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"生きる"とは。

素敵な本を読み終わった。
以前、神戸市栄町にある本屋
"1003-センサン-"を訪ねた時に出会った一冊。

先にこの本屋さんの紹介を。
主に古本・新刊・リトルプレスを扱っている。

写真が無いので表現しづらいが
やはり素敵な本屋には素敵な本が集まるし、素敵なお客さんが集まり、素敵な店主さんがいるものだなと感じた。

大型書店で本を購入するのも良いが、店主のこだわりを感じる街の小さな本屋さんに訪れることも新たな発見があって良い。
神戸に行ったら、また訪ねたい場所になった。


そして表題【"生きる"とは。】
今回読んだ土門蘭さんの"死ぬまで生きる日記"を元に考えていきたいと思う。

私はここまで生きてきた中で"死にたい"と感じたことはないのだが、著者の土門蘭さんは楽しいことがある最中でもふと"死にたい"という感情が湧き上がるという。
精神的な病いは私自身には無い(と思っている)けれど私の周りには精神的に病んでしまった人がいたり、中には自ら命を絶ってしまう人がいた。

当然のことだが、親しい人やお世話になった人が自ら亡くなるというのはとても辛いものである。
その過去もあり心理学やカウンセラーに関する本を読むことが私は好きで、資格は持っていないけれど何か人の支えになれる素養は持っておきたいと思っている。

この本は著者本人の"死"に関する苦悩とカウンセラーとの対話を元に構成されている。
読んでいて気づいたことだが精神や心理という領域において"状態が良くなるための正解"は無いのだろうと感じた。
ただし、状態が良くなる為の"方法"はある。

一人ひとりの性格は違うし、性別も違う。
十人十色で何もかも違うのだから同じ悩みでも決まった正解は無いと感じた。
だからこそ、"心"というのは難しい。

生きていれば不安なことが当然のように起きる。それをうまくやり繰りできる人はいるし、難しい人もいる。
後者の場合はやはり信頼できる誰かが必要ということ。著者の場合はカウンセラーや友人、家族が信頼できる人となって大きな支えになったのだろう。

特にインパクトを受けたのはカウンセラーの人間性の豊かさと技術。著者の苦悩をもとに自己の知識を活用して改善策を提案し、著者と相互に積み重ねていく姿に感銘を受けた。

"別れとは何なのか"
この本の中の一節で、別れがあったとしても心の中に生き続けるものであるとカウンセラーが表現している。別れによって全てが終わるのではない。

例えば過去に書いたもの、聞いたもの、貰ったものを見て振り返る。自分自身がこれまで何で作られてきたのかを確かめる。

過去は変えられないが"捉え直す"ことはできる。
過去は悪いことだけではない。
過去があって現在、未来へと繋がっていくのだから。

生きるとは、
自分自身が何で形成されているのかを捉え直すこと。
そして頼れる人がいるということ。
この事がいくつ歳を重ねても大事なことなのだと知った。

今後も読み返せるよう、長く持っておきたいと思える本に久しぶりに出会った。

#土門蘭
#死ぬまで生きる日記
#読書記録
#カウンセラー

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