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SNC スタンダード 4C機体のススメ(ミシック2桁順位達成デッキ紹介)

初めまして。初投稿です。大してうまくもないのですが、2022/06のスタンダードのラダーで初めて2桁ランクに行ったので記念に書こうと思います。(6/26時点 ミシック66位)

半分くらいは自身の思考のまとめで読みにくい部分もあるかと思いますがご容赦ください。

さて、今回使ったリストはこちらです。

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オリジナルデッキなので、なんじゃこりゃと思うかもしれませんが、自分なりに理論立てて構築をしていったので、なぜこのデッキを組もうと考えたか、どういう戦い方をするデッキなのかを書いていこうと思います。

1.環境分析

さて、このデッキを作るに至った経緯としてまずはニューカペナのスタンダード環境のおさらいです。

①ミッドレンジが最も多く、3マナと4マナのカードがとても強い

まずはこれです。環境には最も多いエスパーをはじめとしてジャンド、グリクシスと3つのミッドレンジが存在しており、これらが過半数を占めています。このことからまずアグロデッキはミッドレンジに弱いため環境への回答になり得ないと判断しました。そしてこれらのミッドレンジの特徴としてすべて3マナないし4マナに環境最強のカードを用意しています。

エスパーであればラフィーン、放浪皇

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ジャンドであれば鏡割りの偶像とエシカの戦車

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グリクシスであれば死体鑑定士と鏡割りの偶像といった具合です。

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これらを踏まえると以下ふたつの選択肢があるように思いました。

・これらのデッキよりさらに強い3マナ域、4マナ域の動きを実現する

・コントロールデッキで相手の動きに対応してから攻守を入れ替える

日本選手権以降台頭しているティムールコントロールは上記のうち二つ目のプランを採用したものだと理解しています。そしてティムールも同様に鏡割りの寓話を採用しており、3マナに重要カードが存在しているという構造は変わりません。

ここでこの環境二つ目の特徴がポイントになりました。

②妨害が重要にも関わらず妨害カードが弱い

呪文貫きなどのカウンターカードが軒並み大して強くなく、初手~3ターン目くらいにこなければほぼゴミと化します。さらに試合をすぐに終わらせるほどのパワーがあるカードが少ないことが、よりこのデメリットを顕在化させてしまいます(ゲームレンジが長く後引きしやすい)。さらに場に出た時点で効果を誘発するカードが多いため除去もアドバンテージを奪われてしまいます。つまり、相手の最高の動きを邪魔することに特化することは困難だと判断し、より強い3ターン目、4ターン目の動きを探すことにしたのです。

2.最高の3、4ターン目を実現するデッキを作る

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一番初めにデッキリストをあげている通り、私の回答は脂牙*エシカの戦車でした。4ターン目における環境最高の動きであるエシカの戦車を出してさらに速攻で殴りかかるという動きは文句なしにすべてのデッキの3,4ターン目の動きを大きく上回ります。もちろんコンボですのでそんなに都合よく毎回動けるわけではないですが、単純にラフィーンを出すだけでも相手と対等の動きは可能です。つまり、うまく回らなくても相手の動きについていけて、上振れすれば相手は絶対に追いつけないのです。

そしてこの動きはあまりに強力であり、他のミッドレンジデッキの弱点である決定力の無さも十分に補えるものでした。これによりキルターンが短くなりティムールに対しても5分で戦うことができることから環境内に苦手なデッキが存在しないと判断しました。

3.弱い妨害カードを強く使う

環境理解の項目で記載したとおり、相手の動きを妨害すると大きく勝利に近づく一方で妨害カードが弱く、それだけ使っていても勝てません。

ということで使い方が非常に重要になります。特に1マナの妨害カードをうまく使えるかどうかが勝利に直結します。今回のデッキでは強迫と呪文貫きを採用しています。本当はどちらかに寄せようと思ったのですが本当にどっちもどっちだったので優柔不断な私は両方採用しています。

まずは強迫ですが、これを強く使う手段は2つです。一つ目は脂牙を通す前の安全確認、二つ目は帳簿割きの謀議を絡めることです。一つ目は非常にわかりやすく、脂牙を通した時点で大きく勝利に近づくため、もしも相手の手札に何もなくても全く問題ありません(むしろありがたいくらいです)。二つ目の帳簿割きも同様で、このデッキではカードを捨てる動きが非常に重要なため謀議が発動した時点である程度の価値を生み出しています。さらに相手の手札が見れて何かしら捨てられれば最高です。3ターン目に2/4飛行が出て相手の3,4ターン目の動きを邪魔できればかなり有利に試合が進みます。

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続いて呪文貫きですが、これも基本的にやりたいことは同じで、一つ目は脂牙を守る、もう一つは相手の3ターン目か4ターン目の動きを妨害してテンポアドバンテージを奪ったうえでダブルアクションを行うことです。呪文貫きは帳簿割きのルーターが狙えない分腐る可能性も高いのですが、はまると強迫よりも大きなアドバンテージを得られます。二つ目のダブルアクションが肝で、こちらの強い押し付けを行ったうえで相手の強力なカードをさばくとほとんどの場合でそのまま試合が決まってしまいます。例えば、こちらがラフィーンを出して、余った1マナで相手の放浪皇を打ち消す、といった動きです。しかしタイミングを逃すとすぐに腐ってしまうのでその場合は速やかにルーターで捨ててしまいましょう。

どちらのカードに対しても言えることですが、このデッキは主軸にルーターというギミックが入っていることで、最悪強く使えないときは捨ててしまうことができ、裏目を減らすことができています。

4.相手の強いカードを弱らせる

相手の強いカードを弱く使わせてこちらのカードを強く使えれば大きく勝利に近づくでしょう(当たり前すぎ)。そしてこの環境に存在する最も強いカードは放浪皇と黄金架のドラゴンだと考えました。エシカの戦車も本来ここに並びますが、このデッキほど強くエシカの戦車を使えるデッキは存在しないので、相手のエシカの戦車は基本的に恐れるに足りません。

ということで、放浪皇と黄金架のドラゴンに対してどうすればよいかを検討した結果、農家の勇気と溜め池のクラーケンを採用しました。

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まず放浪皇についてですが、最強の動きはもちろんこちらの強力カードを-2で除去する動きです。この動きをさせないだけで放浪皇の評価はがくっと下がります。そこで農家の勇気で警戒を付与することで相手の-2を防ぐことができます。また、溜め池のクラーケンは護法2があることで放浪皇で捌くには6マナが必要になります。上述のとおり、この環境はダブルアクションがかなり強力なのでダブルアクションをさせないために護法という効果は非常に優秀です。

続いて黄金架のドラゴンですが、こちらは殴ることで真価を発揮するので、殴らせない、あるいは殴りの価値を下げることが重要です。ここでもやはり農家の勇気は優秀で帳簿割きに撃てば謀議込みで3/5に、ラフィーンに撃てばそれで2/5になり黄金架のドラゴンをブロックできるようになります。さらにフラッシュバックでもう一度撃てばどちらでも守りながら殴ってパワー4まで持っていくことができます。また、このマッチアップでもクラーケンは強力で、まず着地した時点で火力では除去できない上にクロックが高く、返しで殴り返していけば相手はどんどん追い詰められていきます。対ティムールの1/3か1/4くらいはこのクラーケンによってもたらされているかもしれません。

5.余ったスロットでサイドプランを用意する

コンボデッキの性質上対策カードを用意されると非常に厳しくなるため、サイドプランが重要になります。上述にある通り、帳簿割き、ラフィーン、クラーケンで殴り殺すプランは既に用意してはいるのですがもうひとつ必要だと思い、採用したのが照光の巨匠です。巨匠は謀議がそもそもデッキコンセプトに合っている上に農家の勇気とも相性が良いです。さらにこれを採用しようと思ったときにもうひとつ強力なカードとして精神連携メカが浮かび上がってきました。巨匠で精神連携メカに乗るとなんと4/3飛行二段攻撃という鬼スペックに!

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これらを踏まえて二段攻撃の破壊力で押し切ってしまうというサイドプランを加えて今回のリストになりました。

6.まとめ

以上が今回のデッキリストの説明になります。

基本的には3パターンの勝利手段が用意されていて

①ルータースペル+脂牙からのエシカの戦車連打で勝利

②帳簿割き+ラフィーン+農家の勇気(+クラーケン or エシカの戦車)で相手の強力カードを睨みながらグッドスタッフで押し切る

③巨匠でテンポで詰める(あわよくば精神連携メカコンボ)

上記の勝利プランを邪魔しないように1マナの妨害カードを効果的に撃っていく、というのがこのデッキの基本戦略になります。

今回このデッキが活躍した要因は、すべてのデッキにおいて2ターン目までの動きが弱く、3,4ターン目の動きが強いという特徴にフォーカスを当てたからだと思っています。その結果どのデッキに対してもサイドボードで少し対応カードを入れ替えるだけで一定の勝率を確保できました。あと、ぶっちゃけ大きな大会がなくプレイヤーのモチベーションが低かったことも大きかったと思います。

ということで、もう二度とできない気がしますがオリジナルデッキでラダーで無双できて嬉しかった!というお話でした。

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