命を守るための管理入院
おなかの中で成長がゆっくりな子は、成長が止まると次に心拍が止まりお腹の中で亡くなるリスクをもつ赤ちゃんです。
管理入院の目的
赤ちゃんを一番良いタイミングで出してあげること。
安静に過ごして赤ちゃんに最大限の栄養を届けること。
管理入院中の治療
・緊急手術に備えて毎食前にノンストレステスト。
・3~5日に1回のエコーで体重の増えや血流の確認。
寝ているだけの入院生活は赤ちゃんが大きくなることだけが活力でした。
最終的には切迫早産になり、点滴の流量を上げながら何度も危機を乗り越えたある日、大量出血。
子宮口が3cm開いていて逆子の為、緊急帝王切開での出産。
手術後に胎盤が剥がれかかっていたと聞き、入院していなかったら自分の命もなかったと思うと本当に恐ろしい状況でした。
たかが小さめ、されど小さめ。
元気に生まれてくることは本当に奇跡。
おなかに宿ったら生まれてくるのを待つだけと甘く見ていた私に息子は命の重みを教えにきてくれたと思います。
出産方法は?
小さめの赤ちゃんは、分娩のストレスに耐えられず心拍が下がる子も多い。
その為、初めから帝王切開、もしくは陣痛の途中で赤ちゃんの苦しいサインが続いて帝王切開に切り替えることが多いようです。
私は逆子だったので、選択する余地もなく帝王切開でした。
最後は切迫早産からの子宮口が3cm開き、臍の緒が先に出たら危ないとのことで緊急帝王切開。
本当は自然分娩で産みたかったけど、その願いは叶わずでした。
今も傷跡は薄く残っています。
息子が小さい頃、お風呂で「ここから生まれたんだよ。」と傷を見ながら話す時間は温かい時間になり、"2人で頑張ったよね"と胸を張って言えるほど思い出の傷跡になりました。
管理入院を通して感じたこと
入院を告げられた時は、奈落の底に突き落とされた気分で涙が止まらず。
非常事態なのに私の体は元気で「家に帰りたい。」と夫に泣きついたり「この子いらない。」と酷い言葉を言い放ったり、行き場のない感情が募って生きているのが辛かった日々。
それでも、最後まで息子の命を守り抜いてくれた先生。
溢れる涙と負の感情を受け止めてくれた看護師さん。
懲りずに話を聞いてくれた心理士さん。
胎動が少ない子で本当におなかにいるか心配だったけど、落ち込んでる時にポコッと蹴ったり、体重がグンと増えたり「ぼくは大丈夫だよ!」と励ましてくれているようでした。
今でも周りの人を大切にする冷静で優しい子です。
息子の命を守るための入院生活だったはずが一番守られていたのは私でした。
今の時代セルフレジや料理を運ぶロボットも普及していますが、子育ては人の手が必要な場所であり、人だからこそ届けられる温かさがあります。
妊娠中につらい思いをしているお母さんの未来が少しでも明るくなるように、
出産後のお母さんが安心して子育てできるように助けになれたら嬉しいです。
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