最近流行りの【ROUND1のみでの稼働】についての持論

色々あった2022年のAC音ゲー業界

2022年、AC音ゲー業界では様々な事がありました。BPLS2がめちゃくちゃ盛り上がったり、WACCA・グルコス・オンゲキが運営に一区切りをつけるなどなど…
そしてなんと言っても今年は新規タイトルがなんと4タイトル!なかなかこれだけの数が一気に稼働開始する年も珍しいと思います。
しかしながら。蓋を開けてみれば4分の3がラウンドワンのみでの稼働、残るテトテコネクトもラウンドワンとタイトーステーションのみとなりました。しかもタイトーステーションはクレーンゲームと太鼓の達人しかないタイプの店舗も多いため、ラウンドワンのみに設置された府県も少なくありません。

この手法には賛否両論あると思いますが、私は賛成派だったりします。勿論この状況を悲しく思う気持ちはありますが、先細りしていくアーケード業界を未来に繋ぐ方法の一つだとも考えています。
私の賛成の理由を語る前に、まずはこの業界の『』について話さなければなりません。


アーケード業界の捻れた実情と闇を無視する独占稼働

皆さんは『遊楽舎ちゃんねる』をご存知でしょうか。姫路にあるゲーセン兼カドショの遊楽舎を経営している店長が、ゲーセン・ トレカ業界のトピックなどを語るチャンネルです。そして、彼はアーケード業界の闇に切り込んだ動画もあげています。

時間がある方はこれらの動画を見ていただきたいのですが、2つ合わせると30分を超えますので大事なところを要約すると
・開発コストも導入コストも高くなった。昔は1台10万くらいで買えたのが、今は500万〜2000万くらいする。小さな店舗だと1台買うだけで店の命運がかかってしまう。なのにコケてもメーカーは責任を取ってくれない(取ってくれるメーカーもあるが)。
・昔は筐体の購入費だけ元を取れば後は全部店のものだったが、今は通信手数料もある
・昔は開発するメーカーがたくさんあったのでゲームセンターにも購入の選択肢があったが、今は数えるほどしかないのでメーカーの立場がめちゃくちゃ強い。人気が確約されているタイトルに至っては抱き合わせにほぼほぼ近しい販売がなされている。(「先日発売した〇〇というタイトル(爆死タイトル)を導入しているお店に優先的に販売します。」と言われるらしい。)
こりゃぁゲーセンが潰れるのもやむなしやろ!?
といった感じです。

…鋭い読者の方は気付かれたと思いますが、【ラウワン独占稼働】はこれらの問題点を克服しているのです。
どういうことかというと、メーカー対沢山の店舗の契約だとどうしてもメーカーが強くなってしまいますし、導入した事により赤字になってしまった店舗に対して庇いきれない節があります。しかしメーカー対ラウワンだと対等な契約ができるし、開発費を折半することだってできます。また、コケてしまっても業界全体へのダメージを最小限に抑えられるのです。

ダンアラを見ればわかりやすいでしょう。贅沢に大型液晶を3枚も使ってますし、キャリブレーションも開発費が相当かかっていると思います。なかなか当たり外れが激しいダンスゲームでこれだけリスクを恐れない挑戦的な機種をリリースできたのは、ラウワンの資本的な面を中心とした様々な協力があったからに他ならないでしょう。
アンダミロ社だって実質日本初上陸ではコネもノウハウも足りなかったでしょうし、タイトーもここ数年ヒットタイトルを出せてないので流石に保険が欲しかったことでしょう。テトコネもめちゃくちゃ期待されてリリースされた割にはなかなか奮ってませんから、これが調子に乗ってラウワンとタイステ以外の店舗にも導入されていたら業界全体へ大きなダメージを与えていたと思います。

じゃあここで出てくる疑問が「逆にそれラウワンにメリットあるん?」という話です。ちゃんとあります。他のゲーセンとの差別化です。
ゲーセンの収益源は大きくアーケードゲーム(メダルゲーム含む)とクレーンゲームの2つだと考えていますが、ACを開発するメーカーもプライズを作るメーカーもそんなに多くないのです。その為ゲーセン密集地帯で差別化を図ろうとすると、ACゲーのメンテナンスやクレーンゲームの取れやすさ、paseriの値段設定くらいしかないのです。
そんな中で「このゲーセンに行かないと遊べない機種がある」というのはあまりにも大きすぎる強みなのです。ラウワンがある都市は(例外もあるが)どれも県庁所在地や政令指定都市ばかりで、その周辺地域内に必ずライバルが存在します。そのライバル達に圧倒的な差をつけるために開発費などの援助をする…いわば札束で殴ることが可能なのです。
実際私も友達と秋葉原で遊んだ時に、最初ゲーパニでオンゲキをしてたのですが「テトコネやりたい」という理由でタイステに移動した経験があります。もちろんゲームの内容が魅力的でなければ集客に結びつきませんが、ちゃんとしたゲームなら大きな大きなアドバンテージになるのです。(それだけメーカーにも店舗側にも責任がありますから「妥協点でリリース」というのがなくなるのもメリットでしょう。)

以上のことから、【ラウワン独占稼働】はメーカーが失敗を恐れずに開発できてラウワンは他店舗との差別化ができる為win-winであり、もっと広い視野で見るとアーケード業界の衰退を食い止めながら未来へバトンを繋ぐことができるのです。そのため、私は【ラウワン独占稼働】に賛成なのです。

ラウワンの後に続けるゲーセンは?

イェーイ!片岡会長、見ってる〜??

某神社リスペクトはさておき、個人的にラウワンに続いて独占稼働ができそうなアミューズメント企業を2つ考えてきました。それらを発表する前に、私が思う「独占稼働をするために必要な条件」を発表します。それがコチラ。

  • 北の端から南の端まで全国展開していて、地方都市にもACゲームを置いている会社。(これがないとPIUみたいな立ち位置のゲームになってしまう。)

  • どの店舗の近くにもライバルがいる会社。

  • 十分な企業体力がある会社。

  • アミューズメント業界を盛り上げたい(これ以上衰退させたくない)と思える会社。

そしてこれらの条件に合う会社を色々と考えた結果、この2社ならやれる!というのが自分の考えです。
それがGiGOイオンファンタジーです。
…決して片岡会長を忖度してる訳ではありませんよ?強いて言うなら片岡会長の経営スタイルが独占稼働に向いているのかもしれません。

まずGiGOですが、北は北海道・北見から南は沖縄・北谷まで店舗を擁しており、ラウワンが構えていない数万〜20万都市にも大量の店舗を構えています。(むしろ県庁所在地にGiGOがない県も結構ある。)またラウワン未進出の山陰や長崎にも出店しているといった特徴があります。
特に最近は倒産するアミューズメント会社を拾って事業を引き継ぐことで店舗数の拡大を行っており、特に北海道は去年まで未進出だったにもかかわらず現在は13店舗(ゲーセン以外を含めると15店舗)ととんでもないことになってます。
現時点でも独占稼働をするメリットがありそうですが、この調子でGiGOグループ店舗を増やして企業体力を蓄えられればそのアドバンテージは更に大きなものになるでしょう。
正直私Tomは「片岡会長ならいずれやってくれる」と心のどこかで期待しております。お前は片岡会長の何なんだという話ですが。

そしてイオンファンタジーですが、もう言わずとしれた世界一のアミューズメント企業です。日本で590店舗、世界で1024店舗を抱えるアミューズメント企業の最大手であり、都心の超巨大ショッピングモールから片田舎のスーパーマーケットにまで出店しているトンデモ企業です。
メインはやはり子供向けのゲームですが、PALOを中心として大人向けのゲームを置いている店舗も存在します。(余談ですが、日本最東端のゲキチュウマイ・ポップン・ダンスラ筐体は「モーリーファンタジー中標津店」だったりします。)
イオンファンタジーのライバルは言わずもがな、同じイオンモール内に店舗を構えるゲーセンです。現時点では子供向けのモーリーファンタジーと大人向けの専門店ゲーセンといった棲み分けがなされていますが、独占稼働を開始したらその均衡が綻び始めるでしょう。内容が子供向けであれ大人向けであれ、専門店から客を奪うことがしやすくなると思います。ただ胴元のイオンがそれを良しとするかはわかりませんが…

あとがき

ここまでご覧いただき誠にありがとうございました!ホロライブの記事が続いた後に音ゲー関連が2連続となかなか多趣味noteらしくなってまいりました。これからも関心のある物事に関して勢い任せの趣味文を垂れ流していきますので、お付き合い頂けると幸いです!
それでは。


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