見出し画像

卵の貯蔵と凍結卵~①凍結卵~

 現在卵の貯蔵として行われているものには、凍結卵、乾燥卵、濃縮卵の3通りの方法がある。

おはようございます😊Bonjour(ボンジュール)
こんにちは😊Bonjour(ボンジュール)
こんばんはBonsoir(ボンソワール)
パティシエのねねとです(˶ᐢᴗᐢ˶)

 凍結卵は、生卵液を凍結したもので、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白があり、中国、オーストラリアその他から輸入されたものが多い。
 凍結卵には、日本農林水産省指導要綱があり、成分などについて下図のように規制されている。

凍結卵の農林水産省指導要綱


☆凍結および保存

 凍結による保存の長所は、微生物によって起こる品質低下が抑制されることである。
 細菌は、−5℃前後で繁殖が抑えられ、−10℃ではほとんど発育しない。

☆凍結の速さと氷結晶

 食品中には水分があり、食品中の成分がこの水に溶けているため、−0.5〜−2.5℃で凍り始め、−5℃ではほとんど凍ってしまう。
 この凍る水は、食品中の遊離水で、量も多く、容易に除去できる。
 また、遊離水より少量だが、凍らない結合水があり、これは遊離水のように除去することができない。

 遊離水の凍結の速度は、品質の良否にかかわってくる。

凍結温度と凍結時間


上図において、0℃から−5℃に冷却される間、遊離水が凍る時間が30分以内のものを急速凍結といい、6時間もかかるものを緩慢凍結という。
 また、0〜−5℃の間を、氷結晶最大生成帯という。

 グラフ曲線が急傾斜を示す急速凍結では、非常に小さな結晶ができ、緩やかな緩慢凍結では、大きな結晶になる。

 この氷の結晶の大小は、食品の品質に大きな影響を及ぼしている。
 つまり、急速凍結では、小さな結晶ができているために、食品の細胞組織は元とほとんど変わらない。
 しかし、緩慢凍結では、結晶は大きく、細胞組織外にできて組織は圧縮されてしまい、品質は低下する。

  緩慢凍結などで、組織が破壊された場合、解氷後も大きな穴が残り、元の品質には戻らない。
  それで、凍結は-30~-100℃の冷風で急速凍結されている。
  低温ほど、氷は細かくなり、品質をよく保てるからである。

☆凍結後の保存

  微生物による品質低下を抑制する目的で、-10℃で保存するが、このとき貯蔵中の温度が変動することによって、かえって品質を悪化させることがある。
  これは、少し温度が上がると小さな結晶は溶け、温度が下がると溶けた水が他の氷に結合して、より大きな氷結晶を作るからである。

  割卵した卵は、-30℃ぐらいで凍結し、-18℃ぐらいで貯蔵する。
  -18~-23℃は、貯蔵中に温度の変化が±5℃あっても、影響を受けない温度である。

☆凍結卵の性質の変化

  凍結卵の性質の変化について調べてみる。

①卵白   解凍後、濃厚卵白は減少しているが、pHも製菓特性も、生卵白とほとんど変わらない。

  凍結卵白は、その起泡性を利用したマシュマロ、エンゼルケーキ、鳳瑞(ほうずい)などに使用されている。
  泡立てるときは、10℃以下にして時間を長くするが、水様化しているために起泡力は非常によく、やわらかい泡ができる。

②卵黄の変化   卵黄は、凍結すると著しく粘稠(ねんちゅう(粘り気があって濃いこと))になり解凍後も元の状態にはもどらない。
  また、砂糖や塩を混ぜて撹拌しても、よく分散しない。
  これは、リポたんぱく質の脱水によると考えられている。
  そこで、保存する方法として、脱水現象を少なくするために、初めに砂糖や塩を加え、氷結点を低下させている。

③全卵液の凍結   凍結された全卵液を、よく泡立てるには次のように行う。

全卵凍結保存期間における
攪拌時間の相違と起泡力


  上図を見ると、-15℃の保存では、粘度は3ヶ月目まで増加し、その後は増加しない。
  起泡力は、1ヶ月目くらいまでに急激に低下し、2ヶ月以降は低下しない。
 泡の高さを比べると、生卵白と同じ時間だけ撹拌したのでは1/2以下の低さだが、長く撹拌すれば高くなる。

温度による生卵と冷凍卵の起泡力

  また、上図は生卵と凍結卵の温度別による起泡力の実験である。
  15℃、38℃では、凍結卵は生卵より起泡力は悪いが、21℃では、17分までは生卵より良くなっている。

  以上、2つのデータから、時間とともに起泡力は低下するが、撹拌時間を長くすればよく泡立てることができ、その撹拌温度は21℃にすれば、凍結卵でも生卵同様に使えることがわかる。

☆解凍法

  解凍法には、①20℃前後の流水に約20時間置く、②常温(20~25℃)の室温に1日放置してから30~50℃のお湯に入れる。③冷蔵解凍法で5℃で7日間、10℃で4日置く、などの方法がある。
  これらのうち、①の流水解凍法は速くてよいが、設備の関係で困難なことが考えられる。
  そして、卵は細菌にも最良の栄養源であるため、腐敗しやすく、温度が高いほど、細菌の繁殖は激しくなる。
  したがって解凍後は、室温では直ちに、20℃では3時間以内に10℃では10時間以内に使用した方がよい。
  残品がある場合は、冷蔵保存し、翌日直ちに使うよう、販売会社では希望している。
  また、容器などの洗滌(せんでき(洗いそそぐこと))消毒も忘れてはならない。

全卵液と解凍全卵液の
温度と細菌数


  上図は、保存温度、時間、細菌数の関係を表したグラフである。
  4℃の生卵液は、細菌の繁殖が少ないが、20℃では急激に増加している。
  20℃での生卵液の細菌は、10時間後に1万個近くに増加しているが、これが解凍卵になるとさらに多くなり、4万個近くにものぼっている。

フランス

問題です( *´︶`*)

「お元気ですか?」と相手に質問する時、
フランス語で何と言うでしょうか⋯

⬇️

⬇️

⬇️

⬇️

⬇️

⬇️

⬇️

⬇️

Comment  allez-vous?(コマン タレ  ヴ)
です😊
Au revoir(オ ルボワール)さよなら👋

著書:洋菓子材料の調理科学
著者:竹林 やゑ子

この著書を参考にブログを作成することで
学ばせていただいております
感謝いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?