こんな年もあっていい。②
日光への経路はいつも変わらない。
新里街道で鞍掛トンネルをくぐり、ひたすらに一本道。
新鮮味には欠けるが、毎回同じだと自分の調子を測りやすいのが理由だ。
これに関しては「ウチ」も監督も、一致している。
それに、道が同じだとしても感じられるものは毎回違う。
アンダーウェアをすり抜けてくる冷気、身体の軽さ、足の調子。
全てが毎回違うし、だからこそ楽しいと「ウチ」は思う。
日光市までの道中は秋めいて、乾いた空気にかすかに混じる銀杏の匂いだったり枯れ葉を踏むカサカサ音がペダルに集