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EB3 雇用ベース グリーンカード取得までの道のり (第4話)

こんにちは、LIG13です。

 雇用ベースのグリーンカード(EB3カテゴリ)による申請の最初のステップは、移民局(USCIS)ではなく、まず労働局(Department of Labor)から労働許可 Labor Certificate(略: LC)を取得 することです。Form ETA 9089という書類を労働局に提出するのですが、今日はこのプロセスで発生した、レアケースであるAudit(監査)に僕はセレクトされてしまったので、その時のお話をします。申請中のみなさんの参考になれば幸いです。

最初に時系列を記載しておきます。

時系列まとめ


2018年4月 Form ETA 9089をDOLに提出

2018年9月 ランダムAuditの対象にセレクトされる

2018年9月 Audit回答の書類を揃えて提出

2019年3月 LC承認(Certified Form ETA 9089)

以上。

Form9089を提出したら、しばらく待ちになる。

Form9089を提出すると、そこから待ちになります。ほとんどのケースはすんなりと承認されて労働許可証 (Labor Certificate = LC)をもらいます。LCの取得は雇用ベースの永住権の山場であり、逆にこれが取れると永住権への難関はクリアしたと言っても過言ではありません。LCは雇用ベースで外国人のあなたをアメリカは受け入れましたよ。つまり永住権への仮免許をもらったようなものです。言い換えると雇用ベースのグリーンカードの関所は前半がマックスということです。

ただし山場と呼ばれるだけあって、申請者のおよそ3割程度がAudit(監査)にセレクトされ、追加書類などの請求に対応しなければいけません。調べた限り、監査にひっかかった申請者の3−4割は落とされるそうで、僕が処理していた時期は、トランプ政権の真っ只中だったので通常よりも監査にひっかかる確率が高くなっているという声が、巷の掲示板サイトでよく目にするようになっていました。

監査にセレクトされると、追加書類および情報のリクエストが来ます。そちらに対して30日以内に返信しないと、無条件で申請ケースは却下されてしまいます。一度却下されたLC申請は、2度目もトライできるそうですが、実際は労働局のデータベースに却下の記録が残ってしまうため通過するのは厳しいらしいです。

ということで、ネットの掲示板サイトを見てもソワソワするだけなので、LCのことは気にしないように日々過ごしていました。

移民弁護士から監査にセレクトされたとの電話が鳴る

Form 9089提出後から5ヶ月目、弁護士からの電話が鳴りました。

「お、待望のLCが承認されたのかな?」と期待しつつ、電話を取りました。

弁護士「Unfortunately, you are selected for audit」

自分「Oh, no」

地獄の始まりじゃねぇか・・

前出のとおり、30日以内に追加資料をまとめて提出する必要があるとのことで、労働局からリクエストされた追加情報をメールしてもらうことで電話を切りました。その日はさすがにショックで、仕事の手を動かす気分になれなかったです。

「これで監査に落ちたら、家族で日本へ帰国だなぁ・・」

「いま都内の賃貸の相場いくらになっているのかな」

「子供の学校はどうしようかな」

みたいなことばっかり頭に浮かんで来たことを今でも思い出します。

監査でリクエストされた内容がメールで届く。

翌日、メールのinboxに弁護士から追加リクエストの内容が届いていました。要約すると、以下の情報を書類として出して欲しいということでした。

1. あたなのスキルが職場で活かされていることの証明

2. 言語能力(日本語)をどれくらいの割合で使っているのか?

3. 言語能力(日本語)が必要なクライアントの証明

形式は自由で良いとのことで、手配は僕にお任せ。ということでした。会社側も僕にお任せということで、上記の情報集中と資料作成は、僕がすべて自分で取り揃えました。

どういうわけか、エンジニアとしての血が騒ぐ。

30日以内に回答というわけなので、さっさとまとめないといけません。1番目のスキルが職場で活かされているか?の証明については、僕が業務でこれまでに作成した資料(プレゼン資料・仕様書・マニュアル・僕の名前が入ったセミナー・イベント資料など)をサンプルで5つほどかき集めました。

2番の言語能力の割合に関しては、過去12ヶ月のメールの送受信履歴から英語と日本語の件数をクライアント毎にソートし、エクセルにわかりやすくまとめました。

ネットの掲示板でよく電話の通話履歴を出さないとアウト。みたいな情報がありましたが、僕の会社では電話などほとんど使っていなくて、SlackやZoomを使っているので微妙でした。この件に関しては、僕はエンジニアなので、電話はあまり使っておらず、通話(Verval CommunicationのProof)Zoomの履歴とSlack履歴は出せる。というコメントを資料に入れておきました。

3番目のクライアントの証明については、僕とパートナーで繋がっているセールスが抱えているクライアントをデータベースから抽出しました。そこから英語・日本語の比率を割り出して、資料にまとめました。

結果的には、普段の仕事のノリで自己アピールのプレゼン資料をサクッと作れてしまいました。1ページ目にサマリーを記載して、資料はサマリーから飛べるような感じに仕上げました。書体は大きくし、労働局の担当者が確実に読めるようにフォーマットはPDFにしました。

案外、作っている最中は楽しかった記憶があります。エンジニアってこういう苦境に直面すると、なぜかゲーム感覚でテンションが上がるみたいですね。。トラブルは蜜の味というか・・。ちょっと頭おかしいかもです。

追加資料の提出から半年が経過、ついにLCが承認された。

出す物は出したし、後はなるようになるさ。という気分で待つこと半年が経った頃、移民弁護士からLCが承認されたよ。おめでとう。という連絡が入りました。Form9089の提出から換算しておよそ12ヶ月でLCが承認されたことになります。おそらく監査がなければ、6ヶ月程度で終わっていたと思います。この時はまじでホッとしましたよ。

ということで、雇用ベースグリーンカードの最大の山場を超えることができました。これで労働局とのやりとりは終わり、次のステップはいよいよ移民局(USCIS)への書類提出になります。


〜第5話につづく〜




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