ベンチプレスの1RMを増強するために物理的損失を最小限にする方法
ベンチプレスには様々なフォームがあります。初心者や上級者、競技者を含めて、個人のニーズが異なることは明確です。
つまり、人によって最適なフォームが異なるというのは誰しもが認めるところではないでしょうか?
「ベンチプレスでは肩甲骨をこうするべきだ」
「ベンチプレスでは肩甲骨をこうしてはいけない」
「ベンチプレスでは手首はこうするべきだ」
「肘はこうである…」
どれも間違ってはいませんが、やはり最適解は個人で異なります。
そして、指導する人の言葉の選択(内的なものとのミスマッチ)、受け取り側の言葉の解釈のミスマッチが片方または双方で生じてしまうと、フォーム指導は破綻します。これはどちらが悪いという物でもないと個人的には考えています。
しかし、この様なエラーを少なくするためには、本来あるべき運動学・物理学をどちらかが念頭に置いておかないといけないとも考えています。
指導された際に、その言葉はどういう意味なのか?それが起こると運動学ではどのような変化が起こるのか?を自問自答することで、お互いの認識のずれが解消されるのではないでしょうか?
本来であれば、指導者側の指導は「肩甲骨を寄せちゃいけない」「腕を真っ直ぐに降ろす」など、抽象的な単語を選択するべきではないのです。専門用語を分かるように用いて、前提条件を示しつつ、理想的な動作を説明して、受講側がどの様な状態になっているかを説明することが必要であると思います。
では、『ベンチプレスの【1RM】を向上させる』ということをプライマリーに考えた際に、運動学(キネマティック)ではどのような動きが物理学的な損失が少なく、1RMの向上に寄与するのでしょうか?
今回はベンチプレスの動作分析を行った様々な論文から『1RMを増強するために、物理的損失を最小限にする方法』はどうすればよいか?に関して考察していきます。
まず、ベンチプレスのバイオメカニクスに関する論文は複雑な内容となります。
話が混乱しないように、要点だけをまとめ、最終的に重要事項を集約していきます。
▶グリップ
グリップによる運動学の違いを2021年の論文を要約していきます。
・ワイド・グリップ
・ミディアム・グリップ
・ナロー・グリップ
の3種類で1RMベンチプレスの解析をしています。非常に解析幅が多く、混乱を招きやすいので、独断と偏見で重要事項のみ抜粋します。
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