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De-sign語り-11

最初にデザイン制作会社に就職した時、いろんな仕事を複数の人から同時に頼まれた。下っ端のアシスタントは何でもこなさなきゃならないんだ。

まだネットはないから荷物を得意先に運んだり、みんなのおやつを買ってきたり、出前の注文を取ったり、仕事の発注をしたり、掃除をしたり。

そんなことをしているともちろん自分の作業をする時間がなくなるけれど、もちろん自分の作業もしなくちゃならない。

あの頃は版下の台紙をとったり、写植文字の張り込みをしたり、コピーを取ったり。データじゃないから全て手作業だったんだ。

最初は段取りが悪くて、用事を頼まれるたびにその用事から済まそうとしていた。

でも、よく考えてみるとそれって本当に全部が急いでいる仕事なんだろうか?と疑問に思い始めた。

何が一番急いでいて、どの仕事は急いでいないんだろう?

ある日の朝から僕は仕事を仕分けし始めた。

①発注しなくてはならない仕事。

発注した後は発注先が作業をしていて、自分は別の仕事を出来るから朝一番に発注仕事は全て発注してしまう。

②すぐに終わる連絡作業。

5分以内で終わるような連絡事項は先に済ませてしまう。

③自分しか出来ない仕事(作業)

発注や連絡が終わってようやく自分の仕事に移る。

前述の三つの間に別の仕事が差し込まれてしまう。その仕事の内容でその度に優先順位を決めてゆく。方法は同じ。

自分で作業するときはなるべく集中したいから、他の仕事に気を取られたくない。

それぞれの仕事を終わらせる時間の目安は必要。

出社して30分でここまで終わらせる。昼までにここまで終わらせる。昼の休憩後3時までにここまで終了させる。夕方5時までにその日の作業を全て終わらせる。いつも頭の中で組み立てていたなぁ。

そして最後の15分で翌日の段取りと項目を書いて優先順位を決めておく。

仕事をする上で効率を上げるのに最も大切なことは「予測するチカラ」。

特にトラブルが起きることを想定して、それが起こった時に打つ手を予め考えておくこと。「何も起こらない」とは考えない。「起こる」と考えないと対処の仕方は思いつかないよな。

これらを実践することで最初段取りが下手くそな若造は、いつの間にか「段取り上手」と言われるようになった。

長所は伸ばして短所はカバーする。

そういうことって大事だよね。

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