ブランディングのメモ帳-9
ブランドを「立ち上げる」というけれど、どういう状況になればブランドが「立ち上がった」と言えるのでしょうか?
逆にブランドが立ち上がっていない状況とは、どういう状況なのでしょう?
●ブランドを訴求するメインターゲットの顧客層が設定できていない、またはあやふやになっている。
●一定数以上の顧客数にブランドを認知していただけていない。
●ブランドの方向性「コンセプト」が明確になっていない。
●ブランドに統一したイメージやデザインが確立できていない。
それではこれらの条件を満たすためにはどのような活動をすれば良いのでしょう?
<メインターゲットの明確な設定>
良く間違うのは「ブランドを設定」すれば必然的に顧客がつくという勘違い。こういうお客様が「このブランド」のお客様である、という設定がなくては、ブランドを訴求するマーケットもデザインも決まることはありません。対象とする顧客層を設定することで初めて「マーケット」も「コンセプト」も「デザイン」も決まるのです。
<ブランドを認知してもらう>
ブランドを認知してもらうには大量の広報宣伝や訴求が必要になります。訴求量が一定量以上必要だとすれば、そのためには短期間に大量の情報を流して刷り込むか、時間をかけて徐々にブランドを認知して行ってもらうかどちらかになります。短期間に訴求するためには莫大な費用がかかるようになるので中小業者には不可能と言えます。
<コンセプトが明確でない>
ブランドコンセプトがフラフラと定まっていなければ顧客から見たブランドのイメージがいつも揺らいでいる状態になります。お客様から見たブランドが見るたびに変化していたなら、最初に決めたメインターゲットの指向性から外れてしまうことになり、せっかく獲得した顧客層を手放すことになってしまいます。
<統一したデザインの一貫性がない>
コンセプトと同様、ブランドを育てるならば常に顧客にとって常に同じ方向を向いたデザイン性を確立していなければ顧客の指向性から外れてしまうことになります。時代の変化があってもその変化の中で方向性を修正していかなくてはなりません。時代の流行がブランドの方向性から外れていたとしても常に同じ方向に向くように修正しなくてはならないのです。
これらのことからもわかるように、ブランドとは「育てるもの」であるという認識が大切です。安易に突然大きく出現させるものではないし、突然出現するブランドとはそれまでのものとは別のブランドとして成立させなくてはなりません。
時代は変化するからデザイン性の流行や時代性はあるけれども、その時々に合わせていたならそれは「ブランド」とは呼べなくなります。
結局付け焼き刃のような「ブランド」はブランドとして成長できなくなってしまいます。成長するブランドを成立させるためには長い戦いを覚悟しなくてはなりません。
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