見出し画像

【プチ日記】トランスヒューマニズムとは?

2ヶ月ほど前のことです。

成人発達理論に関する書籍の出版や、インテグラル理論にまつわる書籍の監訳もされている、知性発達学者・現代思想家の加藤洋平さんをお招きし、「人の発達とテクノロジーの進化の関係性」について議論と対話を重ねていくというシリーズの、第一弾イベントに参加しました。

「トランスヒューマニズム」「インテグラル理論」「テクノロジー哲学」などなど興味深いテーマが展開されたディープな会だったのですが、話を聴きながら、約3年前に考察したことを思い出しました。

<当時の動き>
雑誌『WIRED 地球のためのディープテック』を読み、合成生物学という分野を知る。ㅤ



観てないけど映画「X-MEN」を思い出す。遺伝子操作された人間(映画では自然発生的な突然変異だが)が存在する未来のイメージを得たいと思ったので一気に映画の全作品観てみる。ㅤ



面白かったので、考察記事を書いてみる。(本当は3本ほどの記事ネタが浮かんでいたが、2つはお蔵入り中。「X-MENチームに学ぶ、内部崩壊する組織とは?」「どうすれば人間とミュータントとの争いをなくすことができるのか?」といった結構面白そうなメモが残ってました)

当時書いた記事を再度読み直してみようと思ったのでした。

最後に、加藤洋平さんが語られた「トランスヒューマニズムとは?」を紹介して終わります。

トランスヒューマニズムとは?

語源としては、トランス、超えていく超越。まずはそもそも1つの哲学思想運動みたいなもの。人間を超克していくという考え方を核としている。言葉としては古くはダンテの新曲に出てくる。あとは、オルダスハクスリーの兄のジュリアンが1950年頃に言葉として使っていた。哲学的には古くはニーチェの超人思想ともつながる。

人間を超克していくというときに極端なトランスヒューマニストがテーゼとして掲げているのは人間の実存的なリスクを超えていく。それは何かっていうと身体を持っている限界を超克していく。極端な人は不老不死の発想を持っている。トランスヒューマニズムにも色んな考え方があって、人間のエゴを超克していくのはどうすればいいのか?地球で生きていくよりも他の惑星に行った方がいいんじゃないか?という考え方を用いながら、今の人間の性質・限界を超えていこうという発想を共通して持っているのが、トランスヒューマニズム。

加藤洋平さんの発言より

ちなみに、上記で出てくるオルダスハクスリーという人物は、『すばらしい新世界』というSF小説の名著を書かれています。こちらや、この本に影響を受けたとされる日本人作家の伊藤計劃氏(故人)が書かれた『ハーモニー』の2冊はいずれも、深く考えさせられる本であり、面白いのでオススメです。過去に読んだ時の簡単な書評を載せておきます。

・概要
人間が受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に管理・区別されている世界ではあらゆる問題はなくなっていた。

・感想
出版されたのは1932年と約90年前。しかし、これから実際に起こりそうなテーマが描かれていて面白かった。心理的抵抗・違和感が生まれる箇所があるかもしれませんが、だからこそ私は素晴らしいと思いました。

・概要
著者は、34歳で亡くなってしまった日本人。発達したテクノロジーによって健康状態を徹底的に管理された人間は、病気になることができない。その平和を仮初めとして、反感を持つ少女とその友人が引き起こす事件から始まるミステリー。

・感想
一気に読み進めてしまう面白さでした。また、ここで表現されている2つの質が異なる平和状態は、いずれも極端ですが、だからこそ本質が浮かび上がってくると思いました。読んだ上で議論したくなる、そんな小説です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?