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ヘラクレイトスの言葉「同じ川に二度入ることはできない」を実感した体験とは?


はじめに

2022年の6月から約半年かけて友人たちと読み進めていた「Regenerative Leadership」という英書があります。(現在、和訳が進んでいるそうです。楽しみ。)

この書籍の中では、これからの時代は私たちは生き方、社会、組織を「Logic of Life(生命の論理)」に基づいて再構築しなければならない、というメッセージが伝えられています。

「Logic of Life(生命の論理)」とは聴きなれない言葉だと思うのですが、全部で7つの原則で構成されているとのこと。

(1)生命を肯定する(生命は、生命を助長する条件を創造する)
(2)変化し続ける&適応的
(3)相関的&相互接続的
(4)相乗効果&多様性
(5)周期的 &リズミカル
(6)エネルギーと物質の流れ
(7)リビングシステムフィールド

今回の記事では、この7つの原則のうち、2番目について、実感した経験を紹介したいと思います。(5)(6)については以前記事で書いていますので後ほどリンクを貼りますね。

「変化し続ける&適応的」を実感したエピソードとは?

同じ島に出会えないのだと実感

著者はギリシャの哲学者であるヘラクレイトスの「同じ川に2度入ることはできない」という言葉を引用していましたが、私がこのテーマを強く感じたのはフィリピンに行った時でした。

2015年に3ヶ月ほどフィリピンのとある離島で生活しており、それから約1年半後の2017年に再び同じエリアで生活したことがありました。

その滞在の際に、以前いっていた山奥のキャニオニングスポットに行くと、以前は飛び込むことができたミニ滝壺が土砂で埋まってしまっていたり、以前はアトラクションのように遊べた箇所が崩れてしまっていました。他にも道路は舗装が進み、移動手段としてバイクが圧倒的に多かったところが、自動車が増え、排気ガスも増えていました。また、中心部には大きくはないですがショッピングセンターのような建物ができていました。

自然の景観が変わると共に工業化の足音を確かに感じる島の様子に触れた時「あぁ、2015年の時の島とは違うんだな。もうあの頃の島とは出会えないんだな」という寂しさとを感じたことを覚えています。

短期間での大きな変化に触れたおかげで、その後、日本に戻った後も例えば渋谷のビルがいつの間にか建て替わっていることに気づきやすくなったり、同じ渋谷に来ているわけではないんだなという感覚を持つようになり、同じ時はないのだなと感じるようになりました。

おまけ:同じ友人に出会っているわけではない

それよりも前から思っていたのは、同じ友人と出会っていたとしてもそれは同じ友人ではないという感覚です。

これは、私がコーチング・カウンセリングといった領域の仕事をしていたこともあることから感じるようになったことだと思います。

具体的にいつから思うようになったのかは覚えていませんが、人が変わろうとした時にその障壁となるのは、それまで身近な人たちになることが多いんですね。なぜならば、その人たちは、実際に目の前の相手というよりも、「自分にとってこうあり続けて欲しいという相手」というレンズをつけて、コミュニケーション(極端に言い換えればコントロール)をとっていて、当人としては親しい関係であればこそ、それに応えてあげたいという無意識も働き、過去の延長線上の(相手が期待している)自分を演じてしまうからです。

このことから、少なくとも私自身は、相手が限りなく昨日と同じに見えても今日のその人は違うかもしれない、という意識で捉えようと心がけています。そして、人の感性はそういった何気ない変化にも気づくことができると感じています。

さいごに

この記事を書いてから、以前「サステナブルな社会づくり」について考えたことを思い出しました。この時に至ったことは、『サステナブルな社会づくり』とは『変化し続けることができる"人間"社会づくり』であり、必要なことは『変化し続けることを邪魔しない仕組み』でした。

今も同じように捉えているなぁ。

その時の記事はこちら。


「Logic of Life(生命の論理)」7つの原則の他2つについて書いている記事はこちらです。


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