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iPhoneって高額なんだけど、どれを買うのがコスパが良いの?


 2022年7月に円安の影響もありiPhoneの価格が10〜20%値上がり、安いモデルでも10万近くのお値段になり、購入するのにはかなりの勇気が必要な額となりました。 Android端末であれば数万円も払えばかなりのグレードのものが買えますが、iPhoneを利用してきた人間にはAndroidへの移行は厳しく、諸々相談を受けます。そんな方々の参考になればと思い記事を書きました。
 iPhoneの利用用途は個々人で色々と違うと思いますので、まずはiPhoneシリーズの特徴をまとめ、その後に目的別にお勧めを記載します。


iPhoneはPro/無印/SEの3つに分類

 iPhoneは、廉価版のSEシリーズ、普及版の無印シリーズ、プロ向けのProの3シリーズからなります。それぞれ何が違うのでしょうか?過去5年間の進化とと共にそれぞれのシリーズの特徴を説明します。

iPhone SE の概要と進化

 iPhone SEシリーズって何が廉価なの?。細かい箇所を比較すれば色々ありますが、端的に言えばカメラ機能とディスプレイが廉価なのです。

廉価ポイント(1)  カメラ機能が残念

 無印版のiPhoneは広角レンズと超広角レンズの2つがありますが、SEは広角レンズ1つだけです。ナイトシフトモードと呼ばれる夜景を綺麗に撮る機能もありません。また、ポートレートも綺麗に撮れません。

廉価ポイント(2) ベゼルレスディスプレイでないのが残念

 SEはベゼルレスでなく、上下に邪魔なスペースがあります。非常に邪魔です。Android端末では1〜2万ものでさえベゼルレスです。ここは本当になんとかしてほしいところです。

廉価ポイント(3)ディスプレイが有機ELでないのが残念。

 今のご時世、3万円くらいの中華スマートフォンだったら大概の製品が有機ELなのに、6万以上するSEが液晶ディスプレイって、、、。iPhoneの場合、液晶の出来も非常に高く、並べてみないと違いがわからない、っと言われてるくらいなので、そこまで違いはないのかもしれませんが、何か寂しいです。

過去5年におけるSEシリーズの進化

 過去5年間における進化は、iPhone SE v2 (2020/3月) → SE v3(2022/3月)のみであり、大きな違いはSE v3は5Gに対応したことがあります。あとは、CPUの進化と、メモリ容量が他のモデルと同サイズの3G→4Gになったことくらいでしょうか。現行のSE3については、CPU、メモリ共に、無印版と同等といえます。

どんな人にお勧め?

 上記のカメラ、Non‐ベゼルレスディスプレイを許容できる人ならば購入する価値があるかもしれません。ただ、表示領域は小さいし、カメラもイマイチなので、あまりお勧めできません。マーケティングの技術が発達した現在では、買い切り型ではなく、LTV(Life TIme Value)を高める方向にシフトしているので、廉価版のプロダクト購入はお勧めしません。”安物買いの銭失い”、っという諺が示す通り、SEを購入→物足りなくなって無印版を購入のステップを辿りそうな気がします。(SEのまま我慢して利用するのもありですが無印版と差がありすぎて、どうなんでしょう。。。)
 SEシリーズが向いている人としてぱっと思いつくのは、日常の写真撮影はコンデジで行う派の人、Apple Watch やMacbookとの連携をしたい人、などがあげられますが、足りない機能を他で補える人など、ガジェットリテラシーが高い人になりそうです。社用携帯として配るにはSEは最適な端末なんですけど。。。

無印版iPhone

特徴と変遷

 無印版ですが、大きな進化は2019年9月のiPhone11で起き、その後の12で5G対応などが行われるミドル・アップグレード、それ以降の14まではマイナーアップデートと言えるでしょう。iPhone 11では諸々アップデートされましたが、一番大きなものはカメラです。iPhoneXSまでのiPhoneはカメラの機能が圧倒的にAndroid端末に劣後しており、夕方/夜はカメラが使いものにならない(真っ暗な写真しか撮影できない)、被写体以外をぼやかすポートレートモードが利用できない、超広角に対応していない、っといった状態でした。記録として写真をとることはできますが、それ以上のことは難しく、写真をとることを楽しむことはおろか、旅行に行く際は別途デジカメを持ち歩く人が続出しました。私自身もコンデジとiPhoneを使いわけ、旅行後にデジカメで撮影した写真をマージしてました。そして、マージが時々面倒くさくなり→後回し→さらに面倒くさくなる、っという悪循環に陥ってました。
 11からは、夕方/夜の写真を綺麗に撮影できる「ナイトシフトモード」、ポートレートモード、カメラのレンズも広角と超広角の2つに対応など、カメラが大幅にアップデートしました。望遠レンズも付属されれば最高でしたが、こちらはPro専用のようで、無印版は今後も搭載されない気がします。

  • iPhone 11(2019年秋発売) の進化のポイント

    • カメラ

      • 夕方/夜でも綺麗に写真をとれるナイトシフトモード

      • 一眼レフなどに備わっているポートレート機能が搭載。写真の撮影が楽しくなった

      • カメラのレンズが広角と超広角の2つに。風景、グルメの写真などが大幅に取り易くなった

    • 端末スペック

      • メモリの搭載量が3→4Gに変更。複数アプリを動かしてもサクサク動作

  • iPhone 12(2020年秋発売)の進化のポイント

    • 5Gに対応

    • ディスプレイが液晶から有機ELに変更

    • 小型のminiシリーズが登場

 ぱっと見れは大きく変更しているように見えますが、2023年時点での5Gは「なんちゃって5G」と揶揄される方式(後述します)であり、有機ELも液晶と見分けはほぼ違いがわからない(タブレットなどのサイズがでかい端末では違いがわかるかも)、っとされてます。これらを考えるとXS→11のときのようなメジャーアップデート、っとまでは言えない気がします。

  • iPhone 13(2021年秋発売)の進化のポイント
    マイナー・アップデート。進化のポイントをあげるなら、以下のようなものかなぁ。

    • 動画撮影における手ぶれ補正機能「Enhanced Stabilization」
      →動画撮影時、三脚無しでも手ブレの少ない動画を撮影できる機能。動画撮影する人にはありがたい機能

    • バッテリー時間が1.5〰2時間向上(miniのユーザには地味に嬉しい)

    • ストレージの最小容量が64→128Gに変更(定価もアップ)

  あとは、毎年恒例のCPU、カメラの性能向上くらいかなぁ。

  • iPhone 14 (2022年秋発売)の進化のポイント
    これもマイナーアップデート。かつて無いほど進歩が少ない。

    • iPhone13 Proのアクションモードが無印版にも適用。撮影者が動いているケースでも動画を綺麗に撮影可能

    • Plus という小型タブレットサイズの端末がリリース(代わりにminiシリーズは発売されず)

      あとは、新機種ごとにCPUが新しくなるのが一般的だったけど、14はCPUが進化せず13と同じA15。まぁ、A15の時点で既にオーバースペックだったので、進化の必要性は微妙だけど。

  • iPhone15(2023秋発売)の進化ポイント

    • プロにしか備わっていなかった2倍の光学式ズームが無印にも搭載
      →撮影の幅が大幅に向上

    • 端子がUSB Type-Cに変更(iPhone 15)
      →無印版はUSB2.0規格ということもあり、データの転送速度480Mbps

    • Dynamic Islandが搭載(iPhone 15)
      →おまけ機能以上のものではない。

どんな人にお勧め?

 iPhoneを購入する人全般にお勧め。カメラ、ディスプレイ、端末スペックの全てが高い次元で融合している端末で、こいつを基準に検討すれば失敗は少ないです。実際に購入する場合、光学2倍ズームが欲しい方はiPhone15を、
そうでない方は11 or 12 あたりで十分な性能/機能をもってるので、数万円で売られているこいつらのがコスパに優れてます。個人的には投げ売り価格で売られている11がお勧め。こいつを数年使い、iPhoneがメジャーアップデートされた際に、最新のものを購入すればよいかと。

ご参考 
iPhone 11 or 12を利用している方が15に乗り換えるべきかはこちらにまとめました。

【補足】iPhone 11 って5G対応していなけどそれでもお勧めなの?

 4Gと比較した5Gの特徴は、超高速、低遅延、多数同時接続の3つです。ドコモ、KDDIなどのキャリアは5Gの展開を進めていますが、2023年時点では、NSA方式(俗に言う「なんちゃって5G」)という方式のため、上記の3つのメリットを享受しにくいです。SA方式という5Gのメリットが得られる方式での展開も進めていますが、どこでもだれでも利用できるようになるのは2025年以降になるのではないでしょうか。
 あと、重要なこととして国内で販売されているiPhoneはサブバンドという方式にしか対応しておらず、やはり上述のメリットを享受しにくいです。
 現在4Gを利用している方は、高いお金を出してiPhone12以降の端末を購入するのではなく、国内でSA方式の5Gが普及し、サブバンドとミリ波の2つに対応したiPhoneが発売されてからでも遅くはないと思います。

iPhone Pro

概要

 iPhoneのフラグシップモデルであり、アップル社のテクノロジーがこれでもか、っと詰め込まれています。無印版との違いはカメラ機能で、望遠レンズが付属されています。また、14シリーズからは、ProではA16 という最新チップが、無印版ではA15 という一世代前のチップが採用されるなど、CPU面でも差別化されるようになりました。

どんな人にお勧め

  • 業務で利用する人
    定価が14,9800円〰というとんでもないお値段。業務で利用する人でないと元がとれないのでは、っと思わせてくれます。

  • 親御さん
    お子さんを綺麗な画質で、写真や動画で残したい!。そんなニーズにはマッチすると思います。撮影した動画をその場で編集することも可能なので、運動会、お遊戯会などのイベントで利用するには最適だと思います。

  • 先端テクノロジーに触れたい人
    最新技術大好き!! っという方は購入する価値があるかもしれません。アップル社の発表などをみながら、実際に当該機能を体験する。信者的なものを感じます。

機能うんぬんの前に15万円〰というお値段はハードすぎます。明確な利用用途がある方が購入すれば良いのではなでしょうか。”安物買いの銭失い”っという諺がありますが、さすがにこの端末を購入するのは、、、。それでしたら、浮いたお金でiPadやApple Watchなどを購入したほうが幸せになりそうな気がします。

まとめ

  • iPhoneは、Pro/無印/SEの3つのシリーズがあり、購入する場合はカメラや端末のスペックのバランスが良い無印がお勧め。

  • Proは業務で利用する、お子さんの写真/動画を少しでも良い形で記録したい、などの明確な用途がある場合にはお勧め

  • SEシリーズは、ベゼルレス非対応で画面が小さい、夜景が撮影できない(ナイトシフトモード非対応)、レンズが1つしかない、などカメラ機能がイマイチな点を踏まえると、お勧めが難しい。SEシリーズを購入するのであれば、型落ちのiPhone 11や12を同じくらいの値段で購入するほうが良いのでは。

  • 無印を購入する際は、最新の14を購入する必要は必ずしもない。11→12はミドルアップデート、12→13,14はマイナーアップデートなので、11 or 12をお得に購入する方を推奨します。特に11は数万円で売られているのでお勧め

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