自然と共生するスマートな暮らし

自然と共生する暮らし。

何も、前時代的な自給自足の暮らしに戻りたいわけではない。

今の便利で選択可能性の高い社会にどっぷり浸かった後では、文明を全て否定して自然へ回帰するということは、現実的ではないしやりたいとも思わない。

現代社会を支えるテクノロジーを上手に取り入れながら、自然と共生するような暮らしがしたい。テクノロジーと自然。人工物と自然ととらえると相性悪そうだけど、そんなことないと思う。今後、テクノロジーのおかげで私たちは労働から解放される。解放された時間を使って、自然とのつながりを取り戻すこともできる。

落合陽一のデジタルネイチャーという自然観は、もはやこの二項対立を超越した概念だし、人が機械化されたり、テクノロジーが自然化(生態化)したり、自然が人工化したり、全ての境界はあいまいになってくる。このとき、何をもって自然と共生すると言えるのか、考えだすと難しい。

ただ、今思っていることは、人間はテクノロジーに別れを告げることはできないし、テクノロジーに使われる可能性すらあるこの時代、意識的にテクノロジーを取捨選択し、利用することは必須だろうなということ。

テクノロジーは使い方によって、命を救うツールにもなれば、戦争の道具にもなる。自然を破壊することもあるのだから、自然と共生する手助けにもなるはずである。

現代は、テクノロジーが発達しすぎて、中身がブラックボックス化している(魔術化)。入力と結果としての出力のみ観察可能で、プロセスに関しては下手したら開発者でさえ分かりえない。機械学習も典型例だろう。

こういった高度なテクノロジーでしか解けない問題もあるし、存在は否定すべきではない。だけど、こと暮らしに関して言えば、もっと私たちが理解可能なテクノロジーを利用すべきだろう。自分たちでメンテナンスができて、既得権益や特定の権力の企みに支配されない。生活インフラを自らの手に。それが持続可能性につながると思う。

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