小さなインフラの共同管理
地球温暖化が叫ばれるようになって久しい。最近ではESGとかSDGsとか、ビジネスの世界でも環境がkeywordになってきている。
これだけ環境への意識が社会全体で高まってきているにも関わらず、相変わらず石炭を燃やして電気をつくり、プラゴミは海に流れ、莫大なバーチャルウォーターを消費しているのはなぜだろう。
ひとつの原因として考えられるのは、「生活」が「自然」から分断されてしまったからではないか。
捨てたごみがどこへ行くのか知らない。
飲む水がどこから来るのか知らない。
電気はどうやって発電されているのか知らない。
私たちの生活を真下で支えているこういった生活インフラが、あまりに遠い存在になってしまった。中央集権的で、専門的で、複雑化して、私たちはサービスの良い面ばかり享受して、裏で何が起きているのか知る由もない。
いずれも元をたどっていけば、必ず自然に行きつく。
そんな当たり前のことを忘れてしまったがために、自然から切り離され、別世界のように我知らずで生きている。
もっと、身の丈に合った生活インフラにするべきだ。
今のインフラは巨大すぎる。
自給自足や地域分散といった言葉に代表されるように、あらゆるインフラは小さくありたい。エネルギー、上下水道、ごみ、交通・・・仕組みを理解し、自らメンテナンスし、必要に応じて改変、進化させていけるようなインフラ。
数十人から数百人の規模で、共同管理できるインフラを。
ローテクと呼ばれる「身の丈技術」によって、生活は支えられるべき。とはいえ、それにより自由に使える時間が減少してはいけない。そういう生活に現代人は耐えられない。
「身の丈技術」を積極的に導入しながら、可処分時間を犠牲にしない。そのために使うのが、高度なテクノロジー=ハイテクになる。最新のテクノロジーは、ローテクによる生活を無理なく楽しく実行するために必要となる。
こういった生活を通じて今一度自然とのかかわり方を見直す。それが、自然と共生するための第一歩ではないか。
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