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チームビルディング、何から始める?

はじめまして!合同会社LifeStocksでコーチ・ワークショップファシリテーターをしている永井なつみです。このnoteでは人や組織に関するテーマで書いていきます。

さて、今回のテーマは「チームビルディング、何から始める?」です。
皆さんの職場でリーダーや管理職として自分のチームを持った時、
まず何から始めていますか?

そもそもチームとは何か。グループとチームの決定的な違い

そもそもチームとは何でしょうか。分かりやすくするためにここではグループとチームの違いに注目してみましょう。

違いを一言で言うと、
グループは複数の人が単に集まっている集団。
チームは共通の目的のもとに集まっている集団、のことをいいます。

例えば、エレベーターに複数の人が乗っているとします。
この場合はグループでしょうか、チームでしょうか。
聞かれるまでもなく、多くの人はグループと答えるのではないでしょうか。
複数人いても目的は人それぞれ、たまたまそこに居合わせた集団です。

では全国優勝を目指している部活動はグループでしょうか、チームでしょうか。この場合は「全国優勝」という共通の目標を持ったチームになりますね。

そう。チームには「共通の目的・目標」があるんです。
わかっとるがな、という声が聞こえてきそうですが、これまで多くの組織やチームでワークショップをしてきて感じたことがあります。

それは、自分たちのチームの果たす目的や目標を全員が口を揃えてはっきりと言えるチームはごく僅かである、ということです。

集められた人たち

会社の組織というのはビジョンや事業・組織戦略のもとに組織図が作られます。本人のキャリアの希望や意思も考慮される部分もありますが、チームメンバー全員が希望して一つの部署が誕生する、ということは極めて稀ですよね。いわば「集められた人たち」です。

自部署でやらなければいけないことはたくさんあり、議論すべき課題も山積み。提示された部署のKPIや達成すべき目標が腹落ちしている・していないに関わらず、やるべきことはたくさんあります。

日中はミーティングが続き、ミーティングで決まったことを作業に落として、利害関係者と調整して、あれをやってこれをやって今日も忙しかった〜!さあ帰ろう!そんな風にしてあっという間に一日が終わっていきます。「何のためにやっているの?」をわざわざ捉えなくても業務は進んでいくのです。

さて、このままいくとどうなるでしょうか。

乗り越えられない対立、上がらない生産性

部署が組成されてしばらく経つと、仕事に対する考え方の違いややり方の違いが浮き彫りになっていきます。あの人のスタンスは自分とは合わない、あのやり方は違うと思う、など日常のちょっとしたことがモヤモヤを引き起こします。

わざわざ波風を立てるのもしんどいな、と気になることを飲み込んで無かったことにしたり、相手に伝えるもののうまく伝わらなくてちょっと険悪な雰囲気になったり。そんなことが起こるかもしれません。

モヤモヤ自体は全く悪いものではないのですが、モヤモヤが遠慮や攻撃になると部署の生産性はそれ以上なかなか上がりません。
一人ひとりは能力もスキルもあって志も高いのに、部署単位で見るとパフォーマンスが発揮されていない、というお悩みは管理職の方から伺うことも多いのです。

部署のコミュニケーションをスムーズにするためにチームビルディングの一環で飲み会やランチ会を企画するというのも確かに人間関係を親密にする大事な取り組みの一つだと思うのですが、メンバー間の交流を続けてもチームのパフォーマンスが上がらない時は「私たちが目指すものを私たちは共通認識として持っているのか?」を問い直すチャンスです。

何のために、何を目指し、私は何をする人なのか?

ここに組織開発コンサルタントのベックハード氏が提唱したGRIPIモデルというものがあります。

GRIPIモデル

チームビルディングというと交流を深めよう!距離を縮めよう!ということに意識が向きやすいのですが、GRIPIモデルでは上から順番に確認していきます。そうするとチームの目標が定まっていなかったり、あるいは定まっていたとしても共通認識になっていないことがよくあります。

私たちは何のために集まっているのか?何をなそうとしているのか?

目指すビジョンや目標が共通のものとなることで、役割が決まり、手順が定まります。そして、目標を果たすためにどのような関係性でありたいのかが見えてくるのです。

最初の一歩は「同じビジョンや目標を持つ」

ここに集まった私たちはどんなビジョンを見るのか。どこに向かおうとしているのか。何を達成したいのか。なぜ達成することが大事なのか。まずはチームで話し合うことからチームビルディングは始まります。

これまでの経験も違うので、当然解釈の違いが起こります。その違いも丁寧に話し、理解し合い、対話を積み重ね、共通の認識にしていきます。いわゆる「腹落ち」した状態です。
業務を進めながらビジョンを見失ってしまうことがあれば、再度対話をして向かう方向を設定し直します。

共通のビジョンや目標があれば、業務でモヤモヤが発生した時にも乗り越えやすくなります。「目標を果たすために、このモヤモヤは解消すべきか?」「ビジョンと照らし合わせると、今起きている問題はどう扱えば良いか?」という基準で考えられるようになるからです。

絵に描いた目標ではなく腹落ちした目標があることで、自分の不満を解消したり面倒を回避することを目的にするのではなく、チームのビジョンを達成するためのアクションになっていくのです。

業務の時間を割いてまで自分達が目指すことを話し合う時間はなかなか取れないよという方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば毎月3時間をチームのための時間にとってみるのはどうでしょうか。1日8時間労働だとして、1ヶ月20営業日で160時間働くとした時に、そのうちの3時間をチームのための時間として取ると考えると1.8%です。どうでしょう。いける気がしませんか。

全員が納得して同じ方向を向くことにメリットはあってもデメリットはありません。生産性は上がり、結果的に目標も達成されやすくなります。


LifeStocksはセンスメイキングの考え方を用いてチームが腹落ちして一歩前に踏み出すための事業・組織支援をしています。
HP https://lifestocks.co.jp/




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