葬送のフリーレンに学ぶ 人が本気を出すのは「無常」を見つめたとき
大切な人に死が迫っている。
早くしないと死んでしまう。
今、自分が本当にやるべきことは何だろう?
『葬送のフリーレン』の主要人物の1人フェルンは、元は南側諸国の戦災孤児で、自ら死のうとしていたところをハイターに救われ、育てられます。
フリーレンと初めて会った時はまだ10歳にも満たない女の子でしたが、子供らしいことは何もせず、毎日魔法の修行に打ち込んでいました。
フェルンに魔法の指導をしていたフリーレンは「あの子は打ち込みすぎだ。あまりいいことじゃない」と心配をします。
やがて年老いたハイターがついに倒れ、フリーレンはフェルンに「側にいてやってくれ」と言いましたが、「まだ1番岩を打ち抜けていません。一人前の魔法使いになれていない」と断ります。
フリーレンが「それはいずれできることだ」と言っても、フェルンは「いずれではダメなのです。いずれではハイター様が死んでしまう」と言って、ハイターの元へは行きませんでした。
「一人前の魔法使いになること」がハイターへの恩返しだと思い、他のことには目もくれず、雨の日も風の日もひたすらに魔法の修行に打ち込みました。
そしてフェルンはハイターが亡くなる前に、1番岩を打ち抜いて一人前の魔法使いになり、ハイターに恩返しをすることができました。
やがてフェルンは、史上最年少で「三級魔法使い」の試験に首席で合格し、フリーレンらと共に頼れる魔法使いとして大活躍をしていきます。
★★★
死(無常)を見つめることは、本当の幸せを求める出発点だ。
と鎌倉時代の禅僧 道元は言っています。
無常だと思うからこそ、大事にするようになります。努力が生まれてきます。
「いつまでも あると思うな 親と金」
「親孝行 したいときには 親はなし」
と言われるように、いつまでも親が生きていると思うから、親孝行ができないのです。
大切な人だけでなく自分の命も無常です。
今まで元気だった人が突然亡くなった、ということはよく聞く話です。
いつまでも生きていられない、今日死ぬかもしれない。
それならば、「今、本当にやるべきことを全力でやらなくては!」という気持ちが湧いてきます。
刻々と忍び寄ってくる「死」を見つめることによって、はじめて人は「本気」になれるのです。
「明日から本気出す」と言っている人は、永遠に本気になることはありません。
なぜなら、明日になればまた「明日から本気出す」と思うからです。
「明日はない、今日が人生最期の日になるかもしれない」
と厳粛な無常を見つめてこそ、
「本当に大切なことは何なのか」について考え、
そのために本気で生きることができるのです。
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