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運命の無花果と出会う

ついに出会ってしまった。食べられる庭に植えたい無花果に。

8月以来、無花果にどれだけ気持ちとお金を費やしただろう。毎週買い出しに行く、兵庫六甲JAのファーマーズマーケットには、朝採れの無花果が並ぶ。今年は収穫量が少ないらしく、ちょっと出足が遅れると、もう棚が空っぽだったりするけど、とにかく、そこにあれば買う。見たことない種類があれば、それを優先して買う。そうやって、この夏、無花果を食べ続け、保存し続けてきた。

そして今日。昨日は快晴、今日も晴れ。いい無花果が必ず出てるはずと、開店早々にファーマーズマーケットに乗り込む。駐車待ちの時間ももどかしく、恋人に先に降りて、とにかく確保してとお願いする。

恋人は、関西人らしく、お買い得なパックをいくつも買い物カゴに入れておいてくれていたけれど、私が売り場をみて、最初に目がいったのが、この黒いイチジクだった。

「これは、もしかして...」。最近、関東の無花果産地である千葉の南房総の知人が「黒いダイヤと呼ばれる、この無花果こそを待っていた」と書いていた、ビオレソリエスという品種が頭をよぎる。当然、その黒いイチジクを含めて30個ほどのイチジクを、今日も買って帰る。

昼食後、早速ひとつ食べる。緻密な身質、中の色の鮮やかさと舌触り、上品で、でもしっかりと存在感を示す酸味、そしてゆったりとした甘味。これだ。これが、食べたかった無花果だ。

すぐに、ファーマーズマーケットに電話する。商品には生産者名のシールが貼ってある。電話で生産者名を伝えて、ものすごく美味しかった。品種を知りたいと伝える。担当者は、「あの黒い無花果ですね」とすぐわかったが、品種はわからないという。聞いてみてもらえませんかと粘ったら、「私も気になるのでちょっとかけてみます」と言って電話を切った。数分後、折り返しの電話で教えてもらった品種は、やっぱり「ビオレソリエス」だった。

ずっと探していた、食べられる庭に植える無花果が決まった。はじめまして、ビオレソリエス。

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