おせちバインミー
お正月も3日になると、そろそろおせちを食べ切ってしまおうというモードになる。去年のお正月からご近所さんとやっている持ち寄りおせち交換会で、焼き豚をつくってくれたメンバーがいたので、これはバインミーがつくれる!と楽しみにしていた。バインミーに必須のなますは、お正月にはたっぷりあるからだ。
ベトナムのストリートフード、バインミーのパンは、皮は薄くてパリッとしていているけど、中はふわふわ。つまり空気が多い。昔、何かの本で、バインミーのパンを焼いている女性のインタビューを読んだ。バインミー屋台は、女性が仕事をするのに、一番始めやすい仕事。パンをたくさん仕入れられて、ちゃんとお金を稼げることを願って、自分はできるだけ軽いパンを焼いて、単価を下げているのだ、という話だったように思う。だから、ホーチミンの屋台でバインミーを食べたとき、パンが軽いことに、勝手に安心したのだ。
さて、日本でこのバインミーらしいパンを入れるにはどうするか。思いついたのは、近所の100円パン屋の(なんちゃって)フランスパンなのである。フランスパンが欲しくて買うと「ちがう…」となるが、バインミーのパンだと思うとばっちりなのだ。薄くてパリっとした皮、ふわふわで食べ応えのない中身が、がぜん活きてくる。実はバインミー屋のために焼いてるんじゃないかと思うくらいだ。いや、ほんと食材は使い方次第。おせちも食べ方次第。
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