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食雑記

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日々の食卓、食卓での会話、食材やレストラン、食に関する本や映画、イベントなど、食にまつわることだけ書く日記のような「食雑記」。節気毎に更新。
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2022年9月の記事一覧

失敗料理

久しぶりに料理を失敗してしまった。メークインとリーキのグラタン。食べられない訳じゃないけどなんとも、という仕上がりになった。生クリームがなくて牛乳にバターを溶かして代用したのも敗因だけれど(バターも少なすぎた)、まあ一番大きいのは焼く前に塩を振り忘れたことだ。最後にパルミジャーノを山ほどかけて仕上げ焼きをしたからなんとかなるかと思ったけど甘かった。昔、レシピ見ながらちょっと素敵な料理をつくろうと盛り上がったら、なんだか全然美味しくなくて、しょんぼりしながら食べている自分を思い

Netflix 「スープの国 ~韓国汁物紀行~」

エピソード1は済州島。おかゆのワークショップで、ここの郷土料理である「タコがゆ」をとりあげたことがあって、豊かな海産物を背景とした食文化に興味があったのだけど、もうどうしても行ってみたくなった。ムール貝を5回茹でた茹で汁を煮詰めた調味料、くり抜いた柚子の皮の中に生牡蠣を詰めて柚子果汁でマリネしたもの、生ワカメとカレイと塩だけのスープ。海の幸が豊富に日常にあるからか、祝いの食事は豚。丸ごと一頭の茹で豚で生まれるゆで汁もスープに。もずくを入れてカサまししたり、蕎麦粉をつかってトロ

オーストリアのワイン

大きな仕事が終わったあとに、たまたまみつけた本当に美味しいものしか置かないというワイン屋さんで、お店の人が説明するときに味を思い出して一瞬陶酔するような顔を見せたので選んだ。私にとってはそれなりに高級だったけど、思い切って。ミネラル感とかいってられない、畳かけるように舌を刺激し続けるミネラル。味わい深く、満足感が深いので、間も開けつつ4日くらいかけて飲んでしまった。本当に美味しいものはたくさんいらない、という昔誰かに聞いた言葉を思い出した。「(オーストリアの土壌は)かつて一度

フェンネルと幸水と藤稔のサラダ

酸味は酢橘。朝食のサラダ山が完全に秋の景色になってきた。北海道の秋は一瞬だけど、関西は秋が長いから、実りの秋感がしっかり味わえて嬉しい。

藤稔

関西来てから知ったぶどう品種。このあたりの植木屋さんで苗もよくみるので、どんな味が気になっていて、ついにJAの直売所で購入。ワインのような芳醇で複雑な味。ただただ甘い品種ではなくて気にいった。このあたりの気候に向いているなら、食べられる庭になってくれたら嬉しいぶどうかもしれない。キャンベルアーリー植えちゃったけど。

白瓜と酢橘と青紫蘇のサラダ

9 月の釜ヶ崎イタリアまかないでつくった一品。9月に入って、胡瓜が2本で150円とかになってきたので、最近食べた赤瓜に味をしめて、こんどは白瓜を使ってみる。2個で180円。一緒に食卓を囲んだ、関西の田舎の食のことに詳しい人に、昔の胡瓜と瓜ってどんな関係だった?と聞いてみた。「胡瓜は未熟な瓜。あんなに小さいまま食べるのはもったいないという感じだった」と。確かに、昨日は白瓜2つで12人分のサラダをつくった。もし胡瓜2本なら4人分くらいか。大人数で食べるなら、美味しくてお得な食材。

乙事(おっごと)赤瓜

信州の伝統野菜のひとつ。茅野の直売所で、胡瓜の原種と説明されていた。サツマイモよりも荒々しい表皮の無骨さとは裏腹に、たっぷり水分を含んでいて、滑らかで、身が緻密で、歯応えもよい。種をとって、1cmくらいにスライスして軽く塩をしておいて、サラダに使うととても美味しい。「皮がこんなじゃなければ、夏の定番にしたいくらい」と恋人は言う。味は好きなのに、外見への偏見が甚だしい。今年の夏の思い出の味。