見出し画像

ライフリンク・メディア報道・世界自殺予防デー・自殺予防週間③

今年2023年の自殺予防週間の報道を見ていきます。

朝日新聞の9月9日「声」欄に、石川県の医師の投書「自殺予防、命の門番を増やしたい」が掲載されました。市井の「声」は、体温が感じられます。

私は遺族になり約半年が過ぎました。心理面の対応も大切と考え、精神科クリニックで研修を受けました。院長から、『パワハラは行う本人の自覚が無いのでエスカレートする』と教わりました。産業カウンセラーからは、『各種ハラスメント問題が無くなればメンタル不調者も減少する』と聞きました。
 夏休み明けの今、子どもの心の在り方が案じられます。近年は子どもの自殺リスクを察知するITツールが開発されているそうですが、まずは周囲の私たちが何かを気づいて、声をかけてあげたいと思います。命の門番である『ゲートキーパー』が一人でも増えることが、大切な環境整備ではないでしょうか

「孤独感」支えたい ――。記事の見出しも大切です。

 『自殺予防週間』(10~16日)を前に、大津市保健所などは8日、同市春日町のJR大津駅前で啓発活動を実施した。
 同市や県などから15人が参加し、相談先の電話番号が書かれたティッシュ1000個を配り、自殺防止を呼び掛けた。
 同課の中西遼保健師は「自殺の根底には孤独感や生きづらさがあり、相談にも勇気がいると思うが、真摯に向き合いたい」と話した。
                 (2023年9月9日 毎日新聞滋賀版)

自治体も懸命に知恵を絞っている様子が伺えます。神奈川県は、自殺対策カラーを「生きる力の回復」を表すグリーンと定めています。「自殺予防週間:生きる力、緑で回復を 自殺予防、ライトアップへ」2023年9月9日の毎日新聞神奈川版です。

「自殺予防週間」(10~16日)に合わせて、県や横浜、川崎、相模原の3市は、公共施設などを県の自殺対策カラーで「生きる力の回復」を表すグリーンでライトアップする。また自殺の兆候や対処方法、相談先を周知する掲示やチラシの配布なども行う。川崎市の担当者は「市民の理解が深まればうれしい」と話す。
 キャンペーンは「気づいてください!体と心の限界サイン」をスローガンに、自殺の兆候を察知して対応できる「ゲートキーパー」の役割を紹介したり、悩みを抱える人に相談を促したりする取り組みを行う。

宮崎県は、自殺予防サイトのQRコードを載せたウェットティッシュなどを配りました。2023年8月29日の読売新聞宮崎版です。

啓発活動はイオンモール宮崎であり、県職員や県のシンボルキャラクター「みやざき犬」がチラシのほか、県の自殺予防サイトのQRコードを載せたウェットティッシュなどを配った。
 自殺者の7割は同居人がいるといい、県福祉保健課は「抱え込まず、相談することが大事。家族は食欲不振など異変に気づいたら、話を聞いてあげるようにしてほしい」としている。


自殺対策の現場も人手不足に悩んでいます。少しでも解消に役立てれば、という思いが伺える記事も目立ちます。

自殺予防週間(10〜16日)を前に、悩みや不安を抱える人たちの電話相談に応じている社会福祉法人「北九州いのちの電話」は3日、北九州市小倉北区の市立商工貿易会館で心の健康を考えるシンポジウムを開く。相談員の高齢化で人手が不足しており、同法人は「シンポで自殺問題の実情を知ってもらい、一人でも多く活動に協力してほしい」と呼びかけている。
 同法人では、研修を受けたボランティア相談員が24時間年中無休、交代で相談に応じる。相談員数は約130人で2001年のピーク時からほぼ半減し、平均年齢は60歳代後半となった。1人の相談員で対応せざるを得ない時間帯も増え、電話が鳴っても取れない時があるという。
                    (2023年9月2日 読売新聞)

 年中休まずに相談者の声に耳を傾けている「鹿児島いのちの電話」が、相談員不足に悩んでいる。国内の自殺者が増加傾向にある中、1件でも多く相談にのりたいと、10日から始まった自殺予防週間を機に、改めて相談員を募っている。
 鹿児島いのちの電話は1989年に開設された。現在は、約90人のボランティアの相談員が24時間年中無休で電話を受けている。
 主力は60~70代で、1日を6コマに分けてローテーションを組む。深夜帯の担当者が少なく、調整に苦労しているという。
 開設時、約60人でスタートした相談員は、15年ほど前には約160人になり、電話を2台に増やした時期もあった。年間2万件以上の相談を受けたが、相談員減に伴って約10年前、電話を1台に。昨年度の相談件数は約1万3千件だった。
                (2023年9月13日 朝日新聞鹿児島版)

世界自殺予防デー、自殺予防週間は、官・民・報一体となった取り組みで、社会に浸透してきました。これからも、さらなる浸透が望まれます。

写真は、藤田喬平ガラス美術館にて。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?