きょう心にしみた言葉・2024年5月15日
「さみしい夜にはペンを持て」は、アドラー心理学の解説書として世界的ベストセラーになった「嫌われる勇気」の共著者、古賀史健さんが中学生向けに書いた物語です。舞台は「うみのなか中学校」。中学校でたったひとりのタコである「タコジロー」は、いじめを受けています。学校をサボったある日、公園で出会った「ヤドカリのおじさん」に勧められて日記をつけ始めます。そして、「書くこと」を通して自分自身を見つめていきます。
冒頭の言葉は、「ヤドカリのおじさん」が語ったものです。「ヤドカリのおじさん」は、日記を10日間つけることを勧めます。人は、10日前のことはもう忘れ始めていて、読み返すと、もうそこに発見があるというのです。日記の読者は、未来の自分。日記は書くものではなくて、長い時間をかけて「育てるもの」。「書くもの」だった日記が「読むもの」になる日が来る…。言葉にすることも大切さが、どこまでもわかりやすく綴られています。
本の末尾には、「もしも書くのが止まってしまったら、これを開けるように」と題した袋とじも用意されています。袋とじを開けると、いくつかのヒントが載っています。そのひとつ「愚痴や悪口ばかり浮かぶときは・・・日記に『宛先』をつけてみる」。たとえば冒頭に「ありがとうね」と書いてみる。それから「ありがとう」を伝えたい相手は誰かを思いめぐらす、というものです。
本の帯には、著作家で経営コンサルタントの山口周氏の言葉があります。
「自分の言葉を持つ」ことで、人ははじめて呪いから自由になれる。
「言葉にならないビジョン」は絶対に実現しませんし、
「言葉にならない問題」が解決することは絶対にありません。
もし、あなたが人生を変えたいと思っているのなら、
まずは「書く=言葉にすること」から始めてみませんか?
思いを吐き出すこと、言葉にすること、文章を書くこと。そこから、自分と向き合うことができる。自分自身を理解することができる。現在の自分だけでなく、過去の自分、未来の自分とも対話できる。
言葉の力を改めて思います。