見出し画像

きょう心にしみた言葉・2023年9月18日

「効率だけを追求しても、より良い人生につながらない。別に答えを出さなくてもいいからモヤモヤを持っておく意識をすることが大事なんじゃないかと気づいた」
「すぐジャッジをする癖がなくなり、寛容になったと思います。(モヤモヤは)自分の願っていること、幸せ、やりたいことをいつか連れてきてくれる羅針盤みたいな、コンパスのような力に今なっているんだなと」

ヨガインストラクターの尾石 晴(おいし・はる)さん

2023年9月6日に放映されたNHK「クローズアップ現代」は、「ネガティブケイパビリティ」「モヤモヤする力」と言い換えて、深く掘り下げました。番組の趣旨を説明した文章です。

< 効率性を追求するタイパが流行し、瞬時に答えがでるチャットGPTが登場した時代、真逆の概念が注目を集めている。「ネガティブケイパビリティ」=すぐ解決できない事態に結論を急がず、答えのない状況に耐え迷う、「モヤモヤする力」ともいわれる。新たなアイデアを生み出す創造性にもつながると指摘され、ビジネスや教育、医療などで幅広く活用が進む。「モヤモヤする力」に秘められた可能性に、最新研究を交えて迫る >

“モヤモヤする力”の考え方を取り入れることで、働き方や人間関係が大きく変わった人として、ヨガインストラクターの尾石 晴(おいし・はる)さんが登場します。

3年前まで、外資系企業に勤め、管理職も経験した尾石さんが最も重視していたのは「いち早く答えを出すこと」でした。朝から晩まで分刻みのスケジュールを組み、非効率な人にはイライラすることもあったと言います。

しかし、出産後、子育てと仕事を両立するようになり、効率を追求してもうまく行かない日々にジレンマを感じるようになりました。そのさなか、本で知ったのが“モヤモヤする力”の考え方でした。無理に答えを見つけようとしなくても良い、むしろ悩みの中にこそ、生きる意味があるという考え方にハッとしたと言います。

尾石さんが始めたのが「モヤモヤノート」でした。生き方や人間関係などすぐ答えの出ないモヤモヤを書き出しています。「悩むことは当たり前だ」と気持ちが楽になり、人の悩みにも寄り添えるようになったと言います。

著名人の言葉も紹介されています。
イチローさん 「結果が出ない時、どういう自分でいられるかが一番大事」
村上 春樹さん 「即座に答えを出すというよりも時間をかけて深く考察することが求められている」

「ネガティブ・ケイパビリティ」については、2022年10月11日の「きょう心にしみた言葉」でも取り上げています。

“モヤモヤする力”は、どう伸ばし、どう生かしていけばよいのか。
番組では、この考え方をテーマに本を執筆し、海外の最新研究にも詳しい翻訳家の枝廣淳子(えだひろ・じゅんこ)さんに聞いています。
枝廣さんによると、“モヤモヤする力”を伸ばすには、1人になって、安心してモヤモヤに浸れる時間を意識的に持つことが大切とのこと。5分でも10分でもよいので、一度判断を保留する、見落とした事を見てみるという視点が、ポイントだそうです。
実際に、海外のインタビュー調査では、めい想などのトレーニングを定期的に行っている人の80 %が高いレベルで“モヤモヤする力”を発揮していたことから、めい想や黙想の実践と“モヤモヤする力”には相関関係があるとされています。

「モヤモヤする力」の大切さを思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?