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きょう心にしみた言葉・2022年12月12日

賢者や偉人が残していった格言の中にのみ
人類の叡知が結集しているわけではない。
市政の人々が交わす言葉の中にも、
この世の真理は転がっている。
経験が血となり肉となり、
やがて言葉になった時、
この世に智慧が生み落とされてきた。
路上に散らばった智慧から、胸に響く言葉を見つけ出すこと。
それがあなたの武器になる。

「ワンピース ストロング・ワーズ 上巻」(尾田栄一郎・著 解説・内田樹=集英社新書)

1997年に「週刊少年ジャンプ」で連載が始まって25年。日本の漫画文化をけん引し、最新作の映画「ワンピース フィルム レッド」も空前の大ヒットとなった「ONE PIECE(ワンピース)」名言集からの引用です。「ワンピース」を読むことは「路上に散らばった智慧から、胸に響く言葉を見つけ出すこと」でもあるのでしょう。解説の中で内田樹さんは、若い読者が「ワンピース」を読んで涙する事情がわかると指摘します。仲間を絶対に死なせないという主人公ルフィの決意には、一人を失うことは世界を失うことに等しいという確信があると。「すべての人には全力で守るだけの甲斐がある」という倫理的な言葉を、これほど決然と情理を尽くして語った物語は他にはないと言います。人間の尊厳の大切さをどこまでも追求する「ワンピース」は、きょうも多くの人たちを励ましています。

ワンピース フィルム レッド 劇場パンフレット

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