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ヒストリー㉑その先へー・2009年11月・2010年3月

内閣府参与に就任


2009年11月12日、ライフリンクの清水康之代表は内閣府参与に就任しました。

内閣府参与となったことで、民間団体では扱えなかったデータの分析が可能になりました。
内閣府が立ち上げた「自殺対策緊急戦略チーム」のメンバーに加わり、11月27日に「自殺対策100日プラン」を提言しました。

例年、年度末の3月から自殺が急増します。
3月までの100日間で実施すべき4つの緊急的施策として
①自殺実態に基づく対策の立案
②経営者らを対象にした総合的支援
③自殺多発地を拠点とした総合的支援
④支援策を最大限活用するためのツール開発ーーを掲げたのです。

12月からは、全国のハローワークで行われることになったワンストップサービスに心の健康相談も取り入れていきました。
「自殺実態白書」から浮かび上がった失業や生活苦などの自殺の危機要因を早期に見つけ、取り除こうとする狙いです。
翌2010年2月25日には、自死遺児5人が清水代表とともに鳩山由紀夫首相(当時)と面会し、自殺対策の推進を訴えました。

「自殺対策100日プラン」のマイルストーンとなった2010年3月は、政府によって初めて「自殺対策強化月間」に指定されました。
日本では中高年男性の自殺が非常に多いため、強化月間に合わせて「お父さん、眠れてる?睡眠キャンペーン」も行われました。
「弱い人間とみられたくない」と、精神不調を訴えることに抵抗感がある中高年男性でも、眠れてるか否かについては比較的回答しやすいということで、「眠れない状態が2週間以上続くと、うつ病の可能性があり、自殺につながる危険がある」ことを踏まえて睡眠を入口として展開されたキャンペーンです。

3月30日には、清水代表が内閣府参与として記者会見し、警察庁と厚生労働省のデータを分析した結果を公表しました。

2004年~08年の日別の平均自殺者数は「3月1日」が138人と最も多く、最小の「12月30日」の55.2人とは2.5倍の開きがあることが明らかになりました。曜日別では、月曜が最多で、土曜が最少でした。

強化月間後、自殺者数にも変化があらわれました。
3月の自殺者は全国で2898人で、前年の3月に比べて6.6%、205人減りました。
自殺者の月別統計が発表されるようになったのは2007年1月以降では、2番目に大きい減り幅でした。
1月から3月までの自殺者も7815人と前年同時期より445人減りました。
また、前年9月から7カ月連続で前年の同月を下回ることになりました。 

=続く 次回は2009年5月編「足立区と結ぶ画期的連携」です。

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